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NEC ホームサーバーを08年前半にも投入 長期的視点で事業を確立へ
2007/10/22 18:45
週刊BCN 2007年10月22日vol.1208掲載
NECが発表したホームサーバー技術は、独自のデータ圧縮/伸張方式により、(1)屋内にあるPCの画面情報と音声情報を、無線LANなどのネットワークを通じてクライアント機器に転送する「リモートスクリーンテクノロジ」(2)デジタル放送向けに開発した専用LSIによって、デジタル放送の2番組録画と2番組配信を同時に行う「マルチレコードキャストテクノロジ」(3)PCとレコーダー部を分離し、番組録画中でもPCに負荷がかからない構造とする「ハイリライアブルデザイン」の3つの技術で構成される。
これにより、屋内外の各種クライアント機器から、ネットワークを通じて屋内にあるPCを操作し、PCの機能を遠隔利用できる技術など、新たなホームサーバー・クライアント・ソリューションを実現するという。
CEATEC JAPAN 2007のNECブースでは、技術デモストレーションを行い、5Mbps程度の帯域で、サーバーから配信される動画を専用端末に映し出してみせた。
NECパーソナルプロダクツのユビキタス事業開発本部・栗山浩一本部長は、「サーバー部は、空冷ながら30dbの静粛性を達成し、ホームサーバーとして必要とされる低ノイズの環境を実現している。今後、いくつかの技術的な課題を解決するほか、次世代ドライブの搭載なども検討しているところだ。08年前半の市場投入を目標にしている」と語る。
ホームサーバーの投入にあわせて、シンクライアント型の端末も販売する計画で、PDAやノートPCの形状をした製品の投入も期待できそうだ。
NECの大武章人取締役執行役員専務は、「ホームサーバーに本来求められる、蓄積する、取り出す、配信するといった機能をしっかりと実現する。“PCメーカーが提供するホームサーバーは、こういうものだ”というものを投入する」と意欲をみせる。
さらに、「08年度から訴求活動を本格的に開始する。少なくとも今後3年間は、ホームサーバーの普及に向けた施策に徹底して取り組んでいく」と、長期的視点でホームサーバー事業を確立する姿勢を示した。
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