店頭流通
アップル 売上高3割増の店舗も 「Appleのショップ」11店舗体制に
2007/08/06 18:45
週刊BCN 2007年08月06日vol.1198掲載
BCNの調べによると、デスクトップPCとノートPCを合わせた6月のアップルの台数シェアは4.8%。Windows Vista発売直後の2月は3.5%であったことから、1.3ポイントの微増となった。世の中の関心がVistaに集中するなかで、健闘していることになる。
アップルでは今年春以降、Windowsからマックへの乗り換え促進のためのプロモーションや、学生向けの割引キャンペーンなどを通じて販促を展開。懸念されたLeopard発売前の荷動きでも「マックには新OS発売前の買い控えはない」(大手量販店)と、現行製品の売れ行きには影響していないとの見方が一般的だ。
もうひとつ、アップルが健闘している要因として見逃せないのが、今年3月からスタートした新店舗施策「Appleのショップ」による店頭での販売強化だ。すでに全国11店舗体制(表参照)となり、直営店のアップルストアの7店舗を早くも上回っている。
「Appleのショップ」は、量販店とアップルが協業して展開するショップインショップで、アップルストアと同じ什器を使用するとともに、マックに精通した専門のスタッフを配置。さらに、ハンズオン型のセミナーなどを実施している。量販店独自のポイント制度や、周辺機器との組み合わせ提案、プロバイダとの新規契約による値引き販売など、アップルストアとは異なる販売活動が特徴だ。
「Appleのショップ」第1号店をオープンしたビックカメラ有楽町店の石川勝芳店長は、「対前年同月比で良くて2ケタ増と見込んでいたマックの売り上げが、35%増で推移している。Appleのショップを出店して以降のマックの売れ行きは予想以上」と指摘。続けて「落ち着いた雰囲気の売り場としていることで、じっくりと製品説明を聞いていく来店客が多く、マックの良さを訴えやすい。来店客の滞留時間は、他の売り場に比べても長い」と語る。
「Appleのショップは、今後も同様のペースで、出店を続けていく方向で検討している」(アップルジャパン)としており、年内には20店舗体制になる可能性が高い。これも継続的なシェア上昇に影響することになりそうだ。
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