店頭流通
東芝 HD DVD、全世界100万台の出荷目指す 今夏にも日本向け製品を投入
2007/05/21 18:45
週刊BCN 2007年05月21日vol.1187掲載
BCNランキングによると、今年4月の次世代ディスク搭載のプレーヤー/レコーダーの販売比率は、Blu-rayの91.1%に対して、HD DVDは8.9%。1-2月には2ケタの構成比となっていたが、その差は大きい。また、これにプレイステーション3が加わると、Blu-rayの構成比はさらに寡占的となる。
HD DVD陣営をけん引する東芝の藤井美英上席常務は、「2006年度は50万台以上の販売を目指したが、結果として、二十数万台にとどまった。普及が足りなかったという反省がある」と語る。
とくに、「日本の市場においては、プレーヤーよりも、レコーダーの投入が不可欠。当社社長の西田が言及しているように、今年夏にはHD DVDレコーダーを投入して、普及戦略に弾みをつける」と表明した。
また、今年に入ってから、米国市場において、HD DVDプレーヤーの販売が増加していることに触れ、「戦略的な価格設定も効果を現し、今年は米国市場だけで、年間200万台の出荷が可能になるだろう。全世界では、年末商戦だけで100万台を売りたい」と強気の姿勢をみせた。
ゴールデンウイーク中には、京都競馬場で行われた天皇賞にあわせて、「HD DVD体験イベント」を開催し、4月に発売されたHD DVDコンテンツの「ディープインパクト ~日本近代競馬の結晶~」の紹介。藤井上席常務自ら、この場に駆けつけるという熱の入れようだった。
「HD DVDならではの高画質やインタラクティブ機能によって、すばらしいものができた。テレビでは、SD画質でしか見られなかったディープインパクトの新馬戦を、初めてHD画像で見ることができた」などとして、自らが熱烈な競馬ファンであることを示しながら、HD DVDのメリットを強調した。
制作した関西テレビ放送クロスメディア事業局の山岡重行氏は、「関西テレビでは、90年代初頭からHDで競馬を収録している。今後も、利用者の要求や、HD DVDプレーヤーの普及にあわせて、ソフトのラインアップを広げていきたい」とした。
一方、今年3月のCeBIT(コンピュータエキスポ)で、Blu-ray陣営が勝利宣言したことに対して、藤井上席常務は、「過去の人類の歴史を見ても、勝ったと宣言したところが、勝ったためしがない」とけん制。「米国、欧州を中心とした世界市場における普及戦略の加速とともに、日本では、まず10万台以上の販売を達成することで普及の地盤をつくる」と意欲を見せた。
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