店頭流通

シャープ 5年連続過去最高目指す 液晶テレビの北米事業がカギに

2007/05/14 18:45

週刊BCN 2007年05月14日vol.1186掲載

 シャープが発表した2006年度連結決算は、売上高、営業利益、経常利益、純利益ともに4年連続で過去最高となった。4月に社長に就任した片山幹雄社長は、「液晶テレビの大型化とともに、国内向け携帯電話事業の売り上げ増が貢献した」とする。07年度も過去最高業績を目指す考えで、片山新体制でも成長路線を堅持する姿勢を示した。

 06年度連結決算は、売上高が前年比11.8%増の3兆1277億円、営業利益は13.9%増の1865億円、経常利益は13.1%増の1705億円、当期純利益は14.7%増の1017億円だった。主力の液晶テレビの売上高は、49.4%増の6135億円。台数では前年比1.5倍となる603万台となった。

 片山幹雄社長は、「液晶テレビの店頭価格は年間2割程度下落したが、亀山第2工場の稼働によって、下期に40インチ以上の構成比率が急速に上昇。下期における当社の販売単価は、上期に比較して7%上昇した」と語った。

 一方、07年度連結業績予想は、売上高が前年比8.7%増の3兆4000億円、営業利益は1.9%増の1900億円、経常利益は2.6%増の1750億円、当期純利益は3.2%増の1050億円。利益面で成長率が鈍化するのは、減価償却制度の変更に伴う減価償却費の増加が影響するため。これを除くと営業利益は12.6%増の2100億円となるなど、事実上の2ケタ成長を維持する姿勢を示した。

 液晶テレビは、38.5%増の8500億円。台数では1.5倍増となる900万台を目指す。そのうち30インチ以上で約8割を占めるとした。

 薄型テレビ事業拡大は、海外展開がカギを握る。今年7月に稼働する亀山第2工場の第3期ラインによって、月間6万枚のパネル生産が可能になる。これによって海外への輸出分を確保する。7月にはポーランドおよびメキシコで液晶モジュールから液晶テレビまでの一貫生産を開始することで、全世界5極のテレビ生産体制を確立。さらに、大リーグやNBAなどへのスポンサードを開始するなど、北米における宣伝広告費を増加させることで、海外におけるブランド定着を目指す。「過去1年間、そして今後半年間で、海外で戦える体制を整える」とする。

 なお、今年夏にも公表する予定の次期液晶パネル工場の建設計画については、改めて「夏に公表する」と繰り返した。
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