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ソニー 有機ELテレビを年内発売 東芝松下は09年をめどに投入

2007/05/07 18:45

週刊BCN 2007年05月07日vol.1185掲載

 次世代の薄型テレビとして注目を集めている有機ELが、いよいよ製品化される段階に入ってきた。

 有機ELテレビは、超薄型化を実現することができるほか、広視野角、高速応答性、高コントラスト比といった特性を持つ。だが、一方で、高コスト、大画面化に適さない、寿命が短いという欠点を持っており、これが製品化のネックとなっていた。

 先頃、東京・有明の東京ビッグサイトで開催された「第3回国際フラットパネルディスプレイ展」では、ソニーが、今年1月の米CESで展示した11インチおよび27インチの有機ELテレビを参考展示した。同時開催された講演会では、井原勝美副社長が、「有機ELテレビは、液晶テレビの一段上の画質を実現するものとして位置づけている。2007年中には、11インチの製品を発売することを約束する」と発言し、ラインアップに加える方針を示した。

 会場では、厚さ3ミリという有機ELテレビならではの超薄型化に、開場直後から見学者が押し寄せ、黒山の人だかりとなっていた。

 また、同展示会では、東芝松下ディスプレイテクノロジーが、21インチの有機ELを参考展示。開催期間中に行われた東芝の中期経営計画の方針発表会の席上で西田厚聰社長が、「09年には、カラーテレビサイズの有機ELの製品を投入する。低分子のコモディティ製品と、高分子による高画質製品の両方を製品化する考え」を示した。

 液晶テレビで薄型テレビ市場をリードするシャープや、プラズマテレビで圧倒的シェアを誇る松下電器産業も、有機ELの研究開発を進めている。次世代の薄型テレビの製品化に向けた準備は着々と進行している。
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