店頭流通

日立製作所 2010年、PDPテレビでシェア20%獲得へ コスト削減効果で通期黒字化に意欲

2007/05/07 18:45

週刊BCN 2007年05月07日vol.1185掲載

 日立製作所は、2010年までにプラズマディスプレイ(PDP)テレビでシェア30%を目指す事業計画を明らかにした。07年度は「大画面薄型テレビの日立」をキーワードに、50インチ台の製品ラインアップを強化。品揃えは、前年の36モデルから約70モデルへと倍増させる。また、第4四半期の同社薄型テレビ事業が黒字に転換したことを公表。07年度は通期黒字化を目指す。

 事業戦略説明会で、江幡誠・執行役常務コンシューマ事業グループ長& CEOは、「薄型テレビ事業は、プラズマテレビを基軸とした経営資源の選択と集中とともに、他社との差別化を推進する」とし、PDPテレビの事業基盤確立を優先する姿勢を改めて強調した。

 昨年10月に稼働した富士通日立プラズマディスプレイ(FHP)宮崎三番館によって、これまで同社が遅れていた50インチ台の製品競争力が高まったほか、今年秋には、現在の年間240万台(42インチ換算)から360万台体制に拡充。さらに、合理化投資によって400万台規模にまで引き上げる。

 「2010年には、全世界のPDPテレビ市場において2割のシェア、50インチ以上のPDPテレビでは3割のシェアを目指す。400万台の生産規模があれば、ここまでカバーできる。次期工場建設の判断時期は08年度になる」としている。

 05年度には1150人だった大画面テレビの開発人員を、07年度には1500人強へと増員するほか、基幹部品の集中購入、ワールドワイドでの現地調達の強化などによって、50インチのPDPテレビでは約30%の材料費削減を狙う。

 また、液晶テレビに関しては、40インチ台まで品揃えを広げる方針を明らかにしたが、同社が出資するIPSアルファテクノロジが、37インチまでの液晶パネルしか生産できないため、「40インチ台のパネル調達は外部からになる」として、パネルの外部調達にも乗り出す姿勢を示した。

 日立製作所は、06年度第4四半期のテレビ事業が黒字化したことを発表。さらに、07年度については、「損益改善の約6割の要素をコスト低減に求め、通期黒字化を目指す」とした。

 同社では、06年度に36機種だったラインアップを、07年度には70機種に拡大。プラズマテレビは20機種から40機種へ倍増。50インチ以上のプラズマテレビは、7機種から20機種へ3倍増とする計画。今年後半には85インチの大画面テレビを投入する予定だ。
  • 1