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ニコン デジカメに無線LAN機能を搭載 COOLPIX CONNECTで差別化を図る

2007/04/16 18:45

週刊BCN 2007年04月16日vol.1183掲載

 ニコンが、無線LAN機能を搭載したコンパクトデジタルカメラの新製品を発表。同時に、同カメラに対応したフォトコミュニケーションサービスを開始する。メーカー各社は、撮影後のソリューション提案に差別化を求めているが、ニコンは、無線LAN機能とインターネットの活用を切り口に、コンパクトデジカメ事業の拡大を図る。

 BCNランキングによると、デジタルカメラ市場全体におけるニコンのシェアは2007年1-3月の集計で8.1%。前年同期が6.9%であったことに比べると、若干シェアを引き上げている。

 この背景には、デジタル一眼レフカメラのシェア拡大が見逃せない。同調査によると、デジタル一眼レフカメラ市場におけるニコンのシェアは48.0%と、キヤノンの37.0%を押さえてトップ。前年同期の32.7%からも大きく上昇している。

 これに対して、コンパクトデジカメでは、5.9%から5.5%へとシェアを落とした。順位は7位にとどまり、6位の富士フイルムとの差は5.1ポイントと約2倍の差が開いている。3月単月でみてもシェアは5.3%。上位10機種のなかにCOOLPIXの名は見あたらない。

 木村拓也を起用したテレビCMの効果も発揮できていないわけで、ニコンにとって、コンパクトデジカメ分野におけるシェア拡大は喫緊の課題ともいえる。

 4月下旬から出荷する「COOLPIX S50c」は、無線LAN機能を内蔵。ソフトバンクテレコムの公衆無線LANサービス「BBモバイルポイント」を1年間無償で利用できるIDとパスワードを内蔵したほか、NTTコミュニケーションズのHOTSPOTを利用するための設定を標準搭載している。

 また、同製品で利用可能なフォトコミュニケーションサービスとして、COOLPIX CONNECTを用意。デジタルカメラで撮影した画像を直接相手に送信できる「ピクチャーメール」機能と、撮影した画像をニコン専用サーバーに転送し、保存できる「ピクチャーバンク」機能を提供。外出中や旅行中でも無線LANスポットから、画像をサーバーへアップロードすれば、デジタルカメラのメモリ不足を解消できる。

 ニコンでは、これまでにも無線LAN機能搭載製品を投入してきたが、今回の製品では、より使い勝手をよくした。無線LANとインターネット機能によって、コンパクトデジカメ事業のテコ入れが図れるかどうかが注目される。
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