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日立製作所 「iVDR」搭載の薄型テレビ投入 HDD搭載で新たな利用を提案 プラズマ、液晶でシェア拡大へ

2007/04/02 17:00

週刊BCN 2007年04月02日vol.1181掲載

 日立製作所は、薄型テレビ「Wooo」の新製品として、リムーバブルHDD規格の一つである「iVDR」を簡単に着脱できるiVポケットを搭載した5機種を4月20日から順次発売する。HDD搭載製品で市場をリードしている同社が、iVDRによって自由に容量を増やすという新たな用途を提案することになる。

 BCNランキングによると、薄型テレビ全体でHDD搭載製品の比率は、32インチ以上の薄型テレビ市場では7.2%とまだ構成比率は低い。しかし、日立製作所ユビキタスプラットフォームグループの江幡誠グループ長兼CEOは「当社が出荷する薄型テレビのうち、HDDを搭載した製品比率は約60%。認知度は徐々に高まっており、いずれHDD内蔵テレビが当たり前の時代になってくるだろう」と予測する。

 今回、新たに投入した新製品は、内蔵HDDに加えてiVDRを着脱できるiVポケットを採用。HDD容量を増やしたいとの要望や、家族で個人ごとに録画・保存したり、録画した内容ごとにコンテンツを管理するといった使い方にも適していると強調する。

 著作権保護技術「SAFIA」に対応したiVDR-Sを採用することで、内蔵HDDに録画した番組をハイビション画質のまま最大9倍速でムーブできることから「次世代ディスクよりも手軽に使える」(マーケティング事業部マーケティング本部・吉野正則担当本部長)としている。

 日立はプラズマテレビで50インチ、42インチ、37インチを用意。液晶テレビでは37インチ、32インチを商品化した。50インチプラズマテレビのP50-XR01の市場想定価格は57万円前後。また、iVDRの価格は160GBが3万5000円前後、80GBが2万円前後となる見込み。

 BCNランキングによると、2007年2月のプラズマテレビで日立のシェアは39.2%で、松下電器産業に次いで第2位。また液晶テレビで日立のシェアは1.5%で第7位。新製品の投入によって、HDD搭載製品の比率を7割まで拡大するほか、プラズマテレビ、液晶テレビでのシェア拡大に乗り出す。

 一方、新製品の発売にあわせてワーナーホームビデオの4作品を収録したiVDRを5000人にプレゼントする。日立では「今回の製品を第一弾としてiVDRをパソコン、ビデオカメラ、カーナビなどに展開するほか、ダウンロードビジネス、レンタルビジネス、店頭での映像プロモーション用ツールとして活用していく」としている。
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