店頭流通

日本HP コンシューマPCに再参入を宣言 国内生産体制を敷き、2ケタシェア狙う

2007/03/19 18:45

週刊BCN 2007年03月19日vol.1179掲載

 日本ヒューレット・パッカード(日本HP、小田晋吾社長)は、国内コンシューマPC市場に再参入すると発表した。昨年6月に、ノートPC「Pavilion Notebook PC」2機種を投入。限定1000台の初期出荷分をわずか10日間で完売するなどの実績をあげていたが、このほど、ノートPCに加えて、新たにデスクトップPCを投入。「コンシューマPCビジネスを4年ぶりに再開する」と宣言した。

 BCNランキングによると、2006年における日本HPのシェアは0.1%。順位では実に15位という低迷ぶりだ。

 BCNランキングでは、量販店での販売実績が中心となるため、企業向けPCの品揃えを主力として個人向けPCでは直販のみとなっていた同社にとっては、実績があがりにくいランキングともいえる。

 しかし、「市場全体の約4割がコンシューマ。今後、事業を拡大していくうえで、コンシューマ市場は避けて通れない領域」(パーソナルシステムズ事業統括取締役副社長執行役員の岡隆史氏)という認識を持っていたのも事実だ。

 同社は、米国本社の合併に伴って実施されたPC事業の再編によって、ビジネスPCを中核とした製品開発が先行したこと、日本市場が要求するような製品コンセプトを採用した製品の開発が見送られたことなどを背景に、02年に、国内コンシューマPC事業から撤退。さらに、市場に残った在庫処分によって、同事業での赤字決算を余儀なくされたという経緯もあった。

 その後、日本では企業向けビジネスに特化しながら、ウェブや電話による直販体制の整備、SCMの構築、国内生産といったインフラづくりに力を注いできた。「こうしたインフラを活用するとともに、昨年6月からの試験的な取り組みも成果をあげたことで、再参入を図ることを決定した」(岡副社長)とのこと。

 販売ルートに関しては、過去の失敗を考慮して、不良在庫を抑えることができるウェブおよび電話による直販に限定。さらに、ビックカメラ有楽町店など3店舗で行う展示販売の「HP Directplus Station」においても、直販同様の販売モデルを活用する。

 また、生産に関しては、東京の昭島事業所での「MADE IN TOKYO」による生産を行い、ユーザーからの注文仕様にあわせた製品を5営業日で納品することにした。

 今回の発表によって、ノートPC3製品とともにデスクトップ2機種を新たに用意。また、米CESで公開した「Touch Smart PC」も近いうちに投入する計画であることを示した。

 岡副社長は、「ビジネスPCでの国内シェアは11%。コンシューマPCでもまずは2ケタのシェアを狙いたい」と意欲を示した。
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