店頭流通
DVDレコーダー市場 年末商戦で復調ぶり顕著 薄型テレビとの連動提案が奏功
2007/01/15 16:51
週刊BCN 2007年01月15日vol.1170掲載
松下電器、シャープが先行
DVDレコーダー市場が11月以降、回復の兆しをみせている。BCNランキングによると、11月の販売台数は前年並みに回復、勢いが戻ってきた。復調のカギは、地上デジタル放送の普及と薄型テレビとの連動提案。とくに、テレビとのセット販売増が需要を後押しする要因となっている。BCNランキングによると、2006年のDVDレコーダー市場はサッカーワールドカップ開催特需によって5月、6月には前年同月実績を上回ったが、これ以外は前年割れで推移していた。
しかし、11月に入って需要が前年並みに回復、年末商戦でも好調に推移している。
好調な背景には、2つの理由がある。
1つは、地上デジタル放送の視聴エリア拡大による効果だ。06年12月に全国都道府県庁所在地での視聴が可能になるとともに、国内約3950万世帯の84.0%をカバーしたことが、レコーダーの買い換え促進につながっている。とくに、放送開始時期が遅れていた九州、四国、中国地方での需要が増加しているといえそうだ。
2つめには、薄型テレビとDVDレコーダーとの連動提案が相次いでいることだ。
メーカー各社が今年のポイントとして取り組んでいるのが、マルチメディアインターフェースの「HDMI」によって複数の機器を連動させ、リモコン操作などを容易にする機能の搭載だ。
数本のHDMIでAV機器同士をつなぎ、ひとつのリモコンであらゆる機器を一元的に操作することが可能になる。このため、薄型テレビとDVD/次世代光ディスクレコーダーやビデオカメラ、デジカメ、オーディオシステムなどを連動させる提案を、各社は加速している。
松下電器産業はビエラリンクの名称で、薄型テレビ「VIERA」とDVDレコーダーおよびブルーレイディスクレコーダー、オーディオシステムを連動している。またシャープのAQUOSファミリンクも同様のコンセプトによって、リビングにおけるAV機器の操作性を高めた。
実際、DVDレコーダーのメーカー別シェアをみると、連動提案を行っている松下電器、シャープが1位と2位を独占。3位にはHD Worldをキーワードに複合展示を行っているソニーが入っている。
連動提案がDVDレコーダーのメーカーシェアにも影響しているというわけだ。こうした連動提案は、販売店にとっては、客単価アップの手段ともなるだけに、今後欠かすことができない取り組みになっていくのは間違いないだろう。
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