店頭流通
キヤノン 年末商戦前哨戦でリード キャラバン辻説法が功を奏す
2006/12/18 16:51
週刊BCN 2006年12月18日vol.1167掲載
BCNランキングによると、今年に入ってからのメーカー別台数シェアは、キヤノンとエプソンの2社が拮抗するものの、キヤノンがややリードといった様相だ。
9月には、エプソンが一時的に首位を奪取したが、10月および、年末商戦に突入した11月には再びキヤノンが首位を獲得。11月のインクジェットプリンタ市場におけるメーカー別シェアは、キヤノンが47.2%、エプソンが43.3%となった。
一方、今年度は、20%のシェアを獲得すると意気込んだ日本ヒューレット・パッカードは、苦戦を強いられており、11月のシェアは2.5%。通信機能付きの複合機を展開するブラザー工業も、同じ2.5%となり、キヤノン、エプソンの厚い壁に阻まれている。
キヤノンが好調な要因として、技術的な優位性とともに、販売店支援策が功を奏したことが見逃せない。
同社は、昨年導入した「キャラバン辻説法」を今年も導入。10月から全国の販売店を対象に、4台のキャラバンカーが直接店頭に出向いて、店員教育を行った。
「キャラバンカーは、昨年は2台だったが、今年はこれを倍増し、これまでに230店舗2300人の店員を対象に教育支援を行った。店員のなかに、キヤノンのファンをつくることに成功したことが大きい」とキヤノンマーケティングジャパンでは語る。
店頭での売れ行きは、店員が製品を推薦するかどうかで大きく左右される。その仕組みづくりができたことが、キヤノンのトップシェアにつながっているといえそうだ。
キャラバンカーには、インクジェットプリンタのほか、昇華型フォトプリンタ、デジタルカメラといった製品も一緒に搭載し、製品知識の浸透や、売り方に関する提案を行っており、デジカメの売れ行きにもプラスの影響を及ぼしている。
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