店頭流通
液晶テレビ市場 進まぬ40インチ超へのシフト 32-40インチ未満との価格差広がる
2006/11/27 16:51
週刊BCN 2006年11月27日vol.1164掲載
液晶テレビでトップシェアを誇るシャープは、総出荷数量のうち、37インチ以上の構成比が32%に達するとしており、なかでも、46インチモデルの販売に力を注ぐ姿勢を示している。また、ソニーでも、年末商戦では、40インチ以上の比率が半数を超えるとしており、大画面戦略を軸に据えている。
だが、こうした液晶テレビメーカー各社の思惑とは裏腹に、コンシューマ市場ではそれほど大画面化が進んでいないのが実態だ。
液晶テレビの大画面化が進展しない理由のひとつに、32─40インチ未満の液晶テレビの価格下落が大きいことがあげられる。
BCNの調べによると、32─40インチ未満の平均実売価格は17万円。価格下落の傾向はやや一服した感があるが、それでも月を追うごとに低価格化は進展している。
これに対して、40─50インチ未満の平均実売価格は28万2000円。9月の27万4000円から一時的に価格が上昇する傾向にあり、32─40インチ未満と、40─50インチ未満の平均実売価格の間には、11万円もの価格差が生じている。ここに大画面化にスムーズに移行できない課題があるといえそうだ。
これをプラズマテレビに当てはめてみると、32─40インチ未満では20万円、40─50インチ未満では24万8000円と、約5万円の差だ。
プラズマテレビは37インチの比率が高いのに対して、液晶テレビでは32インチの比率が高く、その分、32─40インチ未満の価格帯では、液晶テレビの平均実売価格のほうが低く需要を獲得しやすい。こうした点を考えても、ユーザーの大画面化への移行を促進するには、価格差が大きすぎるといわざるを得ないだろう。
40インチを超える液晶テレビは、この1年で、すでに価格が約25%下落している。だが、商戦に本格突入した段階で、さらに価格下落が進展しないことには、液晶テレビメーカー各社の思惑通りには、大画面化が進みそうにない。
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