店頭流通

WindowsVista 1月30日に発売へ 国内PCメーカー8社が米MSに要求

2006/11/13 17:00

週刊BCN 2006年11月13日vol.1162掲載

 米マイクロソフト(MS)のスティーブ・バルマーCEOが来日し、Windows Vistaの発売日が、2007年1月30日になることを明らかにした。また、日本に本社を置くPCメーカー8社が、マイクロソフトのOS戦略などについて、いくつかの要望を提言した。バルマーCEOは、「1週間ほど北米を離れているが、これほど多くメモをとることはなかった」などとして、PCメーカー首脳との会談に成果があったことを示した。

 バルマーCEOが、Windows Vistaの発売日に言及したのは、11月6日に開催されたPC Innovation Future Forumの席上。同フォーラムは、国内PCメーカー8社の首脳が参加して、バルマーCEOと意見交換を行う形の会合。その様子は一部報道関係者にも公開された。出席したのは、NECパーソナルプロダクツ、エプソンダイレクト、シャープ、ソニー、東芝、日立製作所、富士通、松下電器産業の8社。

 意見交換のなかで、東芝の能仲久嗣執行役上席常務PC&ネットワーク社社長が、「1月のVista発売は信じて疑わないが、なんとしてもこのスケジュールを守って欲しい」と要望したことに対して、バルマーCEOは、「それに対するショートコメント」として、「1月30日には必ず出荷する」と回答した。

 これまで1月中のVista発売は明らかになっていたが、具体的な発売日に言及したのは今回が初めてのこと。同社トップがVistaの発売日を、全世界で初めて明らかにした場になった。

 一方、同フォーラムでは、マイクロソフトのOS戦略などについて、国内PCメーカーから様々な要望が出された。

 NECパーソナルプロダクツの須英世社長は、「日本のPC市場は低迷しており、Vistaによって業界を活性化したい。普及、認知の施策を徹底してほしい」としたほか、エプソンダイレクトの山田明社長は、「顧客のニーズが多様化しており、OS、ソフトも画一的な開発にはとどまらないでほしい」と要望。また、シャープの情報通信事業本部・大畠正巳本部長は、「家庭向けのPCテレビの普及に向けた、シンプルでテレビとの親和性の高いOSの開発を望みたい」とコメント、ソニーの石田佳久コーポレート・エグゼクティブSVP VAIO事業本部長も、「日本のデジタル放送に対して、もっとプライオリティをあげて対応してほしい」としたのに加え、日立製作所ユビキタスプラットフォームシステムグループ・ユビキタスシステム事業部・金子徹事業部長も、「PCほど機能が高くない家電製品でもハンドリングできるようなインターフェースの標準化を進めてほしい」と、家電とPCの融合を前提とした提案が相次いだ。

 また、富士通の経営執行役パーソナルビジネス本部・山本正己本部長は、「エンターテインメントPCやAVパソコン、モバイルPCは日本から出ている。米国一辺倒ではなく、日本の新たな挑戦にも目を向けてほしい」としたほか、松下電器産業パナソニックAVCネットワークス社システム事業グループITプロダクツ事業部・高木俊幸事業部長は、「セキュリティに対する安心、安全に関して、1兆円かけないと破れないシステムであるなど、定量的なデータで示して欲しい」などとした。

 バルマーCEOは、「デジタル放送に対して、これだけ強い要望があるのは日本だけ。要求に対しては、一部は短期的に実現できるものもあるだろう」とした。
  • 1