店頭流通

加賀ハイテック 地デジ用平面アンテナ発売 電源不要で、差し込むだけ

2006/10/23 17:00

週刊BCN 2006年10月23日vol.1159掲載

 加賀電子の子会社でコンピュータや周辺機器などの販売会社、加賀ハイテック(高橋進次社長)は、長野県中野市にあるプリント基板の設計・製造・販売のフェイバライツ(樋口俊昭代表取締役)が開発したパソコンやアナログテレビに接続して地上デジタル放送を視聴できる平面アンテナ2製品を、全国の大手家電量販店で発売した。

新製品は、2011年7月にアナログ放送が終了するのを見越し、電源不要でパソコンに差し込むだけで利用できる簡易型のアンテナとして販売する。初年度3000台の販売を目指す。

 今回投入した平面アンテナは、名刺サイズでモバイルパソコン向けの「フェイバマジックFMC600」(5250円)と、室内のデスクトップパソコンやアナログテレビ向けの「同FMF600」(1万円)の2製品。

 地上デジタル対応チューナーが搭載されたパソコンなら、アンテナ入力がF型プラグのテレビ受信用機器に接続して視聴できる。電源は不要で、アナログ放送も受信可能だ。

 同製品は、長野県中小企業振興公社主催の「事業目利き委員会」の事業可能性評価で最優秀賞を受賞。現在、同製品に利用されている技術「平面バランスおよび結合器」に関して特許申請中。平面アンテナの感度は、カーフィルムアンテナの約5倍と高性能だ。

 樋口代表取締役は「プリント基板開発は、各メーカーが中国などへ移している。そこで、従来の技術ノウハウを生かし、薄く、省スペースで付加価値の高い製品として開発した」と、自信をのぞかせる。

 加賀ハイテックは現在、15インチ程度の外国製ポータブルテレビのほか、AV(音響・映像)機器について量販店への流通・卸を拡大する計画を立てており、「フェイバライツの製品は、その領域を攻略するうえでの先行製品となる。店頭では、テレビやパソコンのコーナーに陳列する」(藤井正明・ITM事業本部営業推進部部長)という。

 加賀電子は10月1日付で、子会社化したカメラ・映像関連専門商社の樫村に同社の情報機器事業部門「ITM事業本部」を移管統合し、加賀ハイテックに社名変更した。量販店の流通・卸網の効率化を図り、製品販売を強化している。今年度(07年3月期)の業績は、売上高600億円を予想している。
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