店頭流通

ソニー ロケーションフリーにTVボックスを追加 テレビ売り場での販売増見込む

2006/09/18 18:45

週刊BCN 2006年09月18日vol.1154掲載

 ソニーは、ロケーションフリーの新製品として、ロケーションフリーベースステーション「LF-PK20」(市場想定価格3万3000円前後)と、同TVボックス「LF-BOX1」(同2万3000円前後)を、10月20日から順次発売する。操作性を向上させた新製品をテレビ売り場でも販売し、拡販につなげる狙いだ。

 ロケーションフリーは、自宅で視聴しているテレビ画像や、DVDレコーダーに蓄積したコンテンツを、インターネットを通じて、専用のモニタやPC、プレイステーションポータブル(PSP)などで閲覧できるのが特徴。海外の空港でも、無線LANスポットを利用すれば、日本で放映されているテレビ放送を、ノートPC上でリアルタイムで視聴するといった使い方ができる。

 今回の新製品では、デザインに斬新性をもたせたほか、動画圧縮技術として新たにMPEG-4 AVCを採用。従来よりも鮮明な映像配信を実現した。また、2ステップでの初期設定を可能にするなど操作の簡略化を図った。

 さらに、TVボックスを利用することで、ベースステーションから送信された映像コンテンツを、自宅の別の部屋のテレビや、滞在先のテレビで閲覧することが可能で、複数のテレビを結んだコンテンツ共有を実現する。

 「ロケーションフリーをどんな受信用機器で楽しみたいかといったアンケートでは、プライベートテレビと回答した人が6割を突破しており、テレビとの接続を期待していた顧客が多かった。TVボックスの投入により、もっと身近にロケーションフリーを利用してもらえるようになる」(田中良則・ディスプレイマーケティング部統括部長)とする。

 昨年9月以降、PCやPSPでの視聴を可能にしてから、ロケーションフリーの販売実績は急増している。ただし、従来にない用途提案が必要で、店員がしっかりと説明ができない、市場で認知されにくいなどの課題もあった。

 「従来は、PC売り場での販売が主流で、技術に明るい顧客への販売が中心だったが、新製品ではテレビとの連動など用途提案がわかりやすくなり、テレビ売り場でも積極的な販売を期待している。ベースステーションとTVボックスのセット提案も増加するだろう。半分程度はテレビ売り場で売りたい」と、ソニーテレビ・ビデオ事業本部LFX事業室の前田悟室長は語る。

 いかに、テレビ売り場での販売量を増加させるかが、ロケーションフリーの今後の出荷数量そのものを左右することになりそうだ。
  • 1