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アーク情報とI・Oデータ 企業向け「BOOT革命」を発売 重要情報は外付けHDDに

2006/09/04 18:45

週刊BCN 2006年09月04日vol.1152掲載

 アーク情報システム(藤井悦郎社長)は、アイ・オー・データ機器(I・Oデータ、細野昭雄社長)と共同開発した「BOOT革命/DISK Mirror Ver.1(CorporateEdition)」を10月下旬に発売する。BOOT革命は、外付けのハードディスクからOSを直接起動させることができるウィンドウズ起動制御ユーティリティで、これまでは一般ユーザー向けに販売していたが、今回I・OデータのiSPIS(アイ・スパイス)技術と融合させることで、企業向けのセキュリティソリューションとして使えるようにした。

 これまでウィンドウズの起動は内蔵のハードディスクからしかできなかったが、アークは独自に起動コードを開発(特許出願中)、外付けハードディスクをはじめUSB経由の記憶装置からも簡単に起動できるようにした。2005年7月に「BOOT革命/USB Ver.1」を発売、今年に入ってDISK Mirror Ver.1、DVD Ver.1、USB Memory Ver.1と製品体系を強化してきた。BCNランキングによるとユーティリティソフトの部門で、販売本数シェア4位、金額シェアでは3位争いを演じるなど好調な立ち上がりを見せていた。

 今回の新製品は、DISK Mirror Ver.1に、I・Oデータがストレージ製品のセキュリティソリューションとして展開しているアイ・スパイスの機能の一部「HDDロック」を融合させた。

 HDDロックは、外付けハードディスクを丸ごとロックし、パスワードを設定しておくことで、紛失や盗難時に第三者はアクセスできない。

 製品の概要は、(1)システムドライブを含む内蔵ハードディスクをUSB外付けハードディスクにコピー(2)コピー完了後に再起動すると内蔵ハードディスクのデータ、USB外付けハードディスクのデータ領域をミラーリング(3)USB外付けハードディスクはHDDロックにより、他のパソコンに接続しても情報漏えいの心配はない(4)内蔵ハードディスクに不具合が起こった場合、USB外付けハードディスク側から起動すれば、パソコンはすぐにいままで通り使えるようになる(5)ユーザーによる同期の有効/無効などの制限を設定できる──など。

 藤井社長は、「BOOT革命によって、外付け記憶装置は単なるデータの保存場所ではなくなり、まったく新しい活用方法が可能になった。たとえば、これまではあらゆる重要な情報は内蔵のハードディスクにOSごと残っているわけで、パソコンの紛失、盗難時などに情報漏えいの危険性があった。それを避けるためにシン・クライアントなどの構想が出ているわけだが、われわれの今回の製品により、重要な情報はOSごとUSB外付けハードディスクに保存、それにロックをかけておけば他者はアクセスできないわけで、企業のセキュリティ対策は新局面を迎えるはずだ」と語る。

 価格は3万1290円(税込)。I・Oデータ製USB外付けハードディスクが別途に必要。
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