店頭流通

弥生の会計ソフト 20周年で実売10万本へ 経営診断サービスなどの強化で

2006/07/17 18:45

週刊BCN 2006年07月17日vol.1146掲載

 弥生(飼沼健社長)は、従来の家電量販店販売に加え、税理士や公認会計士による経営診断サービスの強化や、特化分野の開拓で、早ければ来年度(2007年9月期)までに会計ソフトウェア「弥生シリーズ」の実売10万本を目指す。6月に就任した飼沼・新社長が明らかにした。同社によれば、BCNランキングなど調査機関のデータを総合すると、店頭販売が3月第2週に初めてシェア50%を超えた。ただ、会計業務をコンピュータ化する「自計化」した中小企業は、まだ全体の3割強で、開拓の余地があるとみている。

 「弥生シリーズ」は、同社前身の日本マイコン時代から来年で出荷20周年を迎える。これを記念して店頭では、20周年記念版を出荷するほか、販売本数を伸長させる戦略を打つ。

 今年に入ってからは、税理士や公認会計士で組織する「弥生PAP」のメンバーによる経営診断サービスを開始。全国80万社のデータを基に、財務データと比較して業界内のポジションを測ることができる同サービスのセミナーを全国で開催し、「自計化を促すことで、税理士などが見込み客を開拓できる。弥生シリーズの拡販にもつながり、双方に有効な手段となっている」(飼沼社長)と話す。

 今後は、特化分野の開拓第一弾として、歯科医院の口腔画像の管理や予約管理などをする「弥生デンタル」を事業化するほか、USENグループと協力して、有線放送契約法人約75万件に対して、スタンドアロン版やプロ製品を拡販していく方針だ。

 一方、ネットワーク版「NEシリーズ」では、今秋に開発キット(SDK)の提供を開始する。「NEシリーズ」を利用してシステムをカスタマイズするニーズが増えてきたことに応える。

 今年度の売上高は84-85億円を超える見込み。2年後の08年9月期までには、各種事業の強化で100億円の達成を目指す。
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