店頭流通
エレコム マウスのパッケージを一新 曲線を基本に「瓦」をデザイン化 海外メーカーとの差別化を重視
2006/06/12 18:45
週刊BCN 2006年06月12日vol.1141掲載
リピート需要が多くコンスタントな成長が続くマウスは、家電量販などの店頭にとっても重要な商品のひとつ。サプライメーカーも主力商品として力点を置き、国内外さまざまなメーカーが乱立する。しかし最近の店頭でのマウスコーナーを見ると、赤いパッケージ(マイクロソフト)と緑のパッケージ(ロジクール)が競合他社を圧倒、国産メーカーはやや影が薄い状況が続いている。
最大の要因は「デザインや機能など商品としてのマウスに遜色はないが、パッケージをはじめとする店頭でのアピール戦略で海外メーカーに一日の長があった」(商品開発部・吉田定義部長)というのがエレコムの判断だ。
そこで「マウス売り場で海外メーカーを圧倒するようなアピール」を実現すべくさまざまな戦略を検討し、最終的には「瓦」を基本イメージとした斬新なパッケージ戦略を打ち出すことにした。
赤や緑など特定カラーでメーカーをアピールするのではなく、斬新なパッケージデザインとこれら商品の集合によるイメージでメーカー色をアピールするという独自戦略だ。
日本建築の伝統を受け継ぐ「瓦」は、曲面を基本とした個々の瓦が重なり合うことで、屋根という機能と美を提供する。
そこで「曲面を基本とした瓦のイメージで商品パッケージを統一、これらの商品が規則正しく重なり合うことで優美かつ斬新な売り場フェースを実現する」(商品開発部入力機器チーム・山下絵海香氏)というのが、今回の戦略の骨子。
パッケージデザインにデザイナーを採用したのは今回が初の試みで、このパッケージはPALVOシリーズを除くエレコムマウス全モデルで共有する。瓦の側面に当たる部分には「ELECOM」のロゴを最大限に露出することにした。具体的には、最高品質商品についてはロゴを金色に、高品質商品についてはロゴを銀色にした。さらに、無線マウスには青のパッケージ、有線マウスには白のパッケージを採用するなど、色の違いによる一目瞭然の商品説明を徹底した。
6月17―18の両日をめどに、約20万個と見られる旧パッケージによる市中在庫を撤収、翌6月19日から新パッケージ商品を全国の店頭に一斉に投入して、全国のマウス売り場を一新する予定だ。
新商品の投入とともに旧商品を順次回収していく手法は珍しくないが、新パッケージへ移行するために旧商品をすべて回収するのも初の試みで、エレコムの新パッケージ戦略への意気込みを示している。
今回の新パッケージ戦略は、「エレコムマウスを店頭で強力にアピールするとともに、パソコン関連の店舗そのものを活性化する」(吉田部長)狙いもある。
店舗活性化に向けた仕掛けとしては「新たなデザインチームによる既存商品のデザイン刷新。徹底して女性を意識した新たな商品開発。入力以外の機能を組み込んだ新たなマウスの開発」という3つの施策を、今秋をめどに実施する予定だ。
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