店頭市場ピックアップ
携帯オーディオの市場動向
2006/05/22 16:51
週刊BCN 2006年05月22日vol.1138掲載
様変わりしたメーカーの顔ぶれ
4月は一転して前年割れに
携帯オーディオ市場が冷え込みはじめている。図は、同市場の前年同月比推移を表したもの。今年に入ってからは、これまでの爆発的な勢いは鈍り、3月の販売台数は前年同月比106%、販売金額は104%と低い伸びにとどまった。減速感は4月に入ると鮮明化しており、台数は92%、金額は95%とはじめてマイナスへと転じた。
2004年12月時点のメーカー別台数シェアのトップはアップルコンピュータ(29.8%)で、05年1月には「iPod shuffle」を発売することで勢いを加速、05年3月のシェアは45.7%に急拡大した。同年9月には「iPod nano」を投入し、シェアは半数を超える状況が続いている。
昨年3月の同市場は、首位がアップル、2位はリオジャパン(05年9月末で撤退)、3位アイリバー・ジャパン、4位クリエイティブメディアの順で、海外メーカーが主導権を握ってきたが、今年は国内メーカーの躍進ぶりが目立つ。メーカー別シェアでは、アップルに続きソニーが2位、松下電器産業が3位に食い込み、さらに5位にはシャープ、6位には日本ビクターが続く展開だ。
店頭では国内各社がマーケティング強化策を打ち出し自社製品のアピール度を高めているが、依然として「iPod」シリーズが台数別シェア12位までを占拠する状況が続いている。
iPodについては、スピーカーなど各種周辺機器ビジネスも好調で、プリンストンテクノロジーでは、今年2月のiPod用のスピーカーの販売台数が前年同月比5.3倍に拡大しているという。
巻き返しを狙うソニーは、ネットワークウォークマンと、HDD搭載ステレオ「ネットジューク」を組み合わせた「ノンPCソリューションも強化」(岩田真一・ソニーマーケティング・パーソナルAVマーケティング部コネクトMK課統括課長)する方針。次期製品では、静止画や動画再生など市場のトレンドを意識した「インパクトの高い製品」でシェアアップを目指す。
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