秋葉原は今
<秋葉原は今>24.日本のコンテンツ産業を伸ばす
2006/05/15 16:51
週刊BCN 2006年05月15日vol.1137掲載
会場には、デジタル大学の学生をはじめコンテンツ業界の関係者が多く集まった。麻生大臣は、「コンテンツに携わっている皆さんが日本文化を世界に広めるための新しい担い手になる。外務省としては、コンテンツ業界とのパートナーシップを一段と深めていく」考えを示した。というのも、日本のアニメやゲームがアジアを中心に世界各地で人気が高く、「世界を席巻する分野の1つ」と期待しているからだ。
コンテンツ業界の発展に向け、外務省は日本のポップカルチャーの世界浸透を徹底するという。具体的には、日本の現代文化を世界に売り込むための方策を検討する「海外審議会」をこのほど設置。同審議会では、英語によるテレビ番組の制作など海外放送向けコンテンツ配信について議論を進めていく。また、デジタルコンテンツの知的財産権保護など国際標準の制度確立にも力を注ぐ。「日本発のコンテンツを安心して世界に流せるような仕組みを作っていきたい」というわけだ。
秋葉原で麻生大臣がスピーチを行った理由は、日本有数のポップカルチャー拠点として知れわたっているため。デジタルハリウッド大学は、コンテンツ業界の人材育成で知名度が高い。「新しい文化外交を語るうえで、これほどふさわしい場所はない」。
JR秋葉原駅前の都市再開発は、秋葉原ダイビルの産学連携機能の活用などで世界屈指の拠点を確立することが施策の1つとしてあげられている。IT関連を中心に、日本発の製品を創造するのが狙いだ。麻生大臣はスピーチのなかで、「日本はハードウェアの開発だけが得意と世界で思われている。しかし、そんなことはない。コンテンツもアジアで席巻しており世界に通用する分野だ」と言い切った。
デジタルコンテンツの提供が活発化するなか、秋葉原は世界有数のコンテンツ発信基地になる可能性を秘めている。(佐相彰彦)
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