秋葉原は今
<秋葉原は今>22.パーツ販売店の品揃えが変化
2006/04/24 16:51
週刊BCN 2006年04月24日vol.1135掲載
アロシステムが運営するパーツ専門店「ツートップ秋葉原本店」は、自社ブランドのオジリナルパソコンを店の入口付近に展示することに力を入れ始めた。ビギナーの来店を促すためだ。パソコンを前面に押し出すことによって、1か月当たりの来店者数が前年同月比10-20%増で推移し、購入者の増加につながった。今後は、パーツの拡販に向けパソコン購入者をリピーターとして確保することが課題。「パーツを買えば、自作でバージョンアップできることを、接客によって説明する」(ツートップ関係者)としている。
サクセスは、パソコン専門店「秋葉原本店」を昨年秋に移転したことにともない、パソコン周辺機器やパーツに加え、液晶テレビも販売している。デジタル家電まで商材を広げたことでファミリー客が来店するようになった。これまでは、ウェブサイト「ピーシーサクセス」でユーザーを増やしてきたが、実店舗でも新規顧客を開拓できるようになったわけだ。
T・ZONE.ストラテジィは、パーツショップ「T・ZONE. PC DIY SHOP」で今年に入ってから自社ブランドのオリジナルパソコンの販売を本格化。ウェブサイトでBTOモデルの販売も開始しており、店内でもウェブで購入できる環境も整えた。これにより、会社員の来店が増えているという。サードウェーブの「ドスパラ秋葉原本店」は、マウスやキーボードなどの自社ブランド製品「Dプロ」を、パーツユーザー以外の客を来店させる商材に位置づけている。
パーツショップによるパソコン販売が目立つようになったのは、パーツ需要が伸び悩んでいることが原因だ。さらに、電気街の来訪者はパソコンのスペックや機能に詳しくないユーザーが増えている。こうした環境の変化を踏まえ、当面は電気街のパーツショップも対象顧客が広い“一般受け商材”を一段と増やす可能性が高い。
パーツショップにとっては、主力商品の拡販に寄与する商材を揃えていくことが、収益を伸ばすカギになる。そのため、コアなユーザーが購入する“レア商品”をそれぞれの店が品揃えし、他店との差別化を図るという販売策が主流になるとみられる。(佐相彰彦)
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