店頭流通
ソニースタイル・ジャパン e-Sony Shopが活発化 VAIOカスタマイズで差別化図る
2006/04/10 18:45
週刊BCN 2006年04月10日vol.1133掲載
「e-Sony Shop」は、ソニースタイルジャパンと販売委託契約を結び、在庫を持たずに「ソニースタイル」で取り扱っている商品を販売する。各店独自のホームページで「ソニースタイル」の製品を紹介するほか、ホームページを持っていない店舗では、パソコンに「ソニースタイル」のサイトへのリンクを張り、販売高に応じて手数料を受け取る仕組み。現在、「e-Sony Shop」は450店舗。2000年の開始当初の2.3倍近くに拡大した。
「2000年の『e-Sony Shop』開始から2-3年は、自社のホームページを活用した売り方にあまり動きがなく、ほとんどのショップ経営者はウェブサイトでの販売にメリットを感じていなかった」(木戸勝男・カスタマーリレーションデベロップメント部新規開発課統括課長)という。そのため、03年から販売代理店向けのセミナーで、基本的なホームページの作り方も含め、ウェブサイト活用の啓蒙活動を開始し、自社のホームページに委託販売の設定を簡単にできるようにした。現在は、「積極的に取り組む店舗が増えており、理解が深まっている」という。
「e-Sony Shop」は、量販品の在庫を持って販売する形の販売代理店「ソニーショップ」と併設している店舗も多く、「ネットに軸足を置く店、店頭中心の店、ネットとリアル店舗を融合させている店」など、様々な戦略で「ソニースタイル」の委託販売を活用している。例えば、ブログと連動させて商品紹介をしている運営者もいるなど、メーカーの立場ではできない本音の商品説明をすることで拡販につなげている店舗もあるという。
山口県柳井市の「DigitalLinkくんこく」は、店舗とウェブサイトを運営し、ウェブとリアルを融合させる戦略を採っている。地域密着型の店舗のため、「ウェブありきでは、限界がある」(君国泰照店長)。VAIOの場合は、店舗で商品を展示するほか、必要なスペックを選べるため、年配者などの初心者や上級者まで、それぞれのニーズに対応した売り方ができるため、「カスタムメイドの提供を開始してから好調に販売を伸ばしている」という。 ソニースタイル・ジャパンは、ここ1-2年、電話によるセールスも強化している。店頭のソニースタイルのチラシを見て直接同社に問い合わせた場合は、どこの店で受け取ったチラシかをわかるように識別番号を入れている。購入に繋がった場合は、その店舗に販売手数料を支払う仕組み。
ネットや電話などの補完関係が固まってきており、「ソニー製品販売の間口を広げる相乗効果が出てきている」(尾崎誠治・チャネル推進部リアルサイトマーケティング課担当部長)と、今後も販売店とのコラボレーションに力を入れていく方針だ。
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