店頭流通
MCJ BTOパソコン路線を堅守 用途別製品を前面に出す
2006/04/10 18:45
週刊BCN 2006年04月10日vol.1133掲載
―新体制の狙いは。
M&Aによる子会社との連携強化を図るとともに、ムダを省いて整理することが目的だ。高島会長は、グループ全体の総合的な横の連携をみる。アロシステムおよび子会社のシネックスと共同で設立した共同購買・生産機構「PCジャパン」が、昨年10月から購買活動を開始している。今後は、生産拠点の統廃合を進めるなど、共同生産体制を固めていく。今年10月ごろには、現在の2倍の生産に対応できるようになるだろう。
―社長交代により、MCJの方向性は変わるのか。
今後もBTO路線を外れることはない。しかし、競争が激化して低価格だけでは戦えなくなってくる。今後は、低価格というイメージよりも、使い方に特化した製品の訴求を強化していくつもりだ。
―特化した製品とは。
ゲームに特化した「G-Tune」や、オンキヨーとの共同開発で4月中旬に発売する「音にこだわったPC」のような用途別に特化したパソコンで差別化を図っていく。そのために、他社とのコラボレーションを推進している。
―目標とする市場シェアは。
昨年(2005年)は15万台を出荷した。2005年国内パソコン出荷台数1461万台(IDCジャパン調べ)のうちシェア1%程度だ。ショップ向けのOEMは、販売金額で前年比20%増に拡大しているなど、シェアの拡大よりも利益率の向上を重要視している。シェアを伸ばすことが一番の目的ではない。コスト削減と生産性向上を図り、価格競争力強化にさらに力を入れていく。そのため、サーバーなどの利益率の高い製品の拡販にも注力していく方針だ。
―企業向け販売に力を入れていくのか。
ネットなどの通販、法人向けの直販を全体的に強化する。企業向け販売は、中小企業やベンチャーなどをターゲットに、今年度積極的に取り組む方針だ。SIが必要な場合は、グループ間で連携を図っていく。法人向けの売上比率は約20%を占めているが、この比率は維持した上で、全体の売上を拡大していく。
―子会社iiyamaとの相乗効果は。
今後は、モニタ一体型PCや、インターネット番組が注目されているなかで壁掛けのモニタなど、新しい商品を開発したい。現在はまだ模索段階のため、製品化時期は明確ではないが。
―パソコン市場で目指すのは。
MCJは、パソコンの買い替え買い増し市場を追い風に、必要なスペックを低価格で提供することで多様化するニーズを捉え、成長してきた。BTOのスタイルは変えないが、将来的にはホワイトボックスメーカーという位置づけから脱皮して“メーカー”というイメージを確立させたいと考えている。
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