店頭流通

ゼンリン 地図ソフトの販売体制を強化 今年度中にダウンロード販売も

2006/04/03 18:45

週刊BCN 2006年04月03日vol.1132掲載

 ゼンリン(原田康社長)は、06年度(2007年3月期)、地図ソフト「電子地図帳Z[zi:]」シリーズの販売強化を図る。

 店頭では、スタンダード版と高機能版のパッケージを販売しているが、新たにダウンロード販売や、販売代理店向けに高機能版のライセンス販売の開始を視野に入れるなど拡販に結びつける。ダウンロード販売は、データサイズが大きいなどの問題があるため、具体的なスタート時期について未定だが、今年度中の開始を目指している。スタンダード版、高機能版それぞれのターゲットを二極化させて拡販していく方針。

 地図ソフト市場は、「毎年新製品を購入するファン層も多い」(木部剛・流通営業部アシスタントマネージャー)うえに、「新製品の発売時期にかかわらず年間を通してコンスタントに売れている」という。コンシューマ向けパッケージソフトの店頭販売全体が伸び悩んでいるなかで、「地図ソフトに関しては下げ止まり傾向にある」と、底堅い需要を見込んでいる。

 しかし、「昨年度は、店頭での販売促進活動が手薄になっていた」ため、消費者が購入を検討しても、「機能を十分に訴求できず売り上げにつながらなかった」と分析している。

 これまで販売機会を損失していたことを反省して、売り場作りを見直すことにした。全国主要都市を定期的に回って売り場の販売状況をチェックして分析、キャンペーンやPOPを作成するなど各店舗に合った販売支援を行う。

 現在発売しているスタンダード版「電子地図帳Z[zi:]8」の店頭価格は1万円前後、高機能版「同 Professional5」は2万9800円前後。販売本数全体に占める割合はスタンダード版が多いが、「前年比約2割減」と苦戦が続いている。

 しかし高機能版については、順調な伸びを示しているため、店頭でスタンダード版と高機能版の機能比較表を作るなど、消費者の目を引き、販促につながる環境作りを目指す。

 また、高機能版の拡販施策として、企業の個人ユーザーをターゲットにした販売を加速させる。企業向けには、代理店を通じたパッケージ販売のほか、直販でライセンス販売を行っているが、ライセンス販売が好調に推移しているため、「企業向け販売を伸ばすためには、代理店を通じたライセンス販売が必要」として、現在、代理店との交渉を進めている。
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