店頭流通

シマンテック 個人市場でシェア50%奪取へ ネット系販売は2倍に強化

2006/04/03 18:45

週刊BCN 2006年04月03日vol.1132掲載

 コンシューマ事業で、セキュリティソフト年間販売本数5年連続ナンバーワンの座にいるシマンテック。4月1日に旧ベリタスソフトウェア日本法人との合併が完了し、新たなスタートを切った。新生シマンテックのコンシューマ事業の方向性を齋藤秀明・執行役員副社長コンシューマ事業統括に聞いた。

 ――2005年は通年でBCNランキングの「セキュリティソフト部門」で販売本数シェア45.4%を獲得、5年連続で販売本数トップとなった。06年の目標シェアは。

 50%は超えたい。セキュリティソフトの普及率は毎年上がっているとはいえ、利用していないユーザーはまだ多い。市場全体では10%前後の成長が期待できると感じており、50%という数字は不可能ではない。

 ――「Winny」からの情報流出が多発している。コンシューマ事業にも好材料になっているか。

 追い風だ。一連の情報漏えいは、ビジネスでの利用による流出だが、プライベートでも情報を盗まれたくないというニーズは当然ある。加熱報道に触発されて、危機感や不安を持ち購入する一般消費者は増えている。 

 ――シェア50%超えに向けて、販売チャネルの強化ポイントはどこか。

 以前から重点チャネルとしている家電量販店などの店頭を重視していく方針は変わらない。ただ、オンライン販売が05年は一昨年に比べ2倍以上で推移しており、非常に伸びている。強化チャネルだ。今年も昨年度比2倍の成長は達成したい。

 ――一般消費者のスパイウェア対策への関心が高い。競合他社は、スパイウェア対策専門ソフトを投入しているが、シマンテックの計画は。

 製品化の検討は行っており、将来的にどうなるかは分からないが、現段階で予定はない。スパイウェアのみを防御しても包括的なセキュリティ対策を施せるわけではない。単体ツールを提供してしまうと一般消費者に混乱を与える可能性が現時点では高い。シマンテックとしては、総合セキュリティ対策ソフトの導入を促していく。

 ――米国では、コンシューマ向けのサービスメニュー「Gnenesis(ジェネシス)」(コードネーム)が今秋にスタートする。

 ジェネシスは、セキュリティだけでなく、パソコンの最適化やバックアップなど、パソコンを安全・快適に提供するための機能を総合的にカバーするメニューを揃え、サービスとして提供する。シマンテックのコンシューマ向け商品としてこれまでにない新しいアプローチだ。詳細はまだ言えないが、米国では今秋中、日本でも年内には開始する。ソフトウェアをパッケージとして提供するのではなく、サービスとして提供する考えは、ソフトウェア業界のなかで大きな流れと感じている。ジェネシスは、ソフトをサービスとして提供するモデルの1つだ。
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