店頭流通

日本AMD 自作ノートPC向けCPUを店頭で発売 ホワイトボックス市場拡大を促進

2006/03/27 18:45

週刊BCN 2006年03月27日vol.1131掲載

 日本AMD(ディビッド・M・ユーゼ社長)は、モバイル向けCPU「チュリオン64モバイル・テクノロジ」を自作ノートパソコン向けCPUとして4月から店頭販売に踏み切る。国内では初の試みで、ノートパソコンの自作ニーズが高まっていることが背景にある。同製品が自作パソコンユーザーの増加につながり、国内ホワイトボックス市場拡大の起爆剤になる可能性もある。

 自作ノートパソコン用パーツを販売している家電量販店やパソコン専門店は現段階ではごく少数。これは、ノートパソコン用のPCケースやパーツが少ないためだ。多くのショップは、BTOモデルの販売などで、「自分好みのノートパソコンが欲しい」というユーザーニーズに対応している。しかし、このところユーザーの間ではデスクトップパソコンだけでなく、ノートパソコンの自作ニーズが高まりを見せている。

 吉沢俊介・取締役は、「これまでは、ショップから要望があれば、自作ノート向けCPUを提供していた。今後は、多くのショップが自作ノート向けCPUを店頭で販売できる環境を作り、自作需要を高めていく」としている。自作ユーザーのなかには、マニアを中心に高性能のパソコンをワークステーションとして活用する動きも出ているという。

 「デスクトップに限らず、ノートも自作できる選択肢が増えれば、個人市場でパソコンのワークステーション化がますます強まることになる。こうした需要の増加によって、ハイエンドなノートパソコンの提案を行うショップが一段と増える」と期待する。

 現段階では、ノート用ケースを販売しているメーカーが少ないことや、自作ノート市場が確立していない点などから、「年間の販売高は予想しにくい」とみている。

 しかし、ノートパソコン向けCPUは、デスクトップパソコン向けに比べ、静音性が高いといわれているため、「まずは、省スペース型のデスクトップ向けに購入するユーザーが多いはず。新製品がCPU市場で上位シェアを確保するだろう」とみている。加えて、「近い将来に自作ノート向けCPUが市場として確立することは間違いない」と言い切る。

 今年夏頃には、デュアルコアの自作ノート向けCPUの発売も計画済みで、国内ホワイトボックス市場の拡大を推し進めることにしている。
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