秋葉原は今
<秋葉原は今>17.“世界のIT拠点”が動き出す
2006/03/20 16:51
週刊BCN 2006年03月20日vol.1130掲載
“世界のIT拠点”を目指す「秋葉原クロスフィールド」のグランドオープンとあってUDXのオープン時には、NTT都市開発の三田清社長やダイビルの広瀬忠邦社長、鹿島建設の梅田忠夫会長などデベロッパー3社のトップが出席したほか、石原慎太郎・東京都知事や松田岩夫・科学技術・情報通信技術担当大臣など秋葉原地区都市再開発の関係者も参加。盛大なセレモニーで幕を開け、すべての参加者が秋葉原地区の発展に期待を寄せた。
挨拶ではNTT都市開発の三田社長が、「世界のIT拠点として成長を遂げるため、秋葉原UDXが街の集客増に向けた重要な役割を果たす」と述べた。石原都知事は、「秋葉原地区は、米国でいえばニューヨーク・ブロードウェイのような雰囲気がある。しかも、路地裏にほかの地区では購入できない部品を売る店が軒を連ねている。(秋葉原のような)華やかさとノスタルジックが混在している街は、世界でも類がない」と強調。加えて、昨年開通した首都圏新都市鉄道の「つくばエクスプレス」で秋葉原とつくばを結ぶことにより、「日本経済を支えるIT産業にとんでもない可能性を見いだせるようになった。日本の技術を有効的に活用すれば、シリコンバレーなんて目じゃない」と言い切った。松田大臣は、「秋葉原クロスフィールドは、まさに国家的なプロジェクトだ。秋葉原地区を起点に、最先端の技術を駆使した研究開発に励んで欲しい」と祝辞を述べた。
昨年3月オープンの「秋葉原ダイビル」は、IT関連企業や大学教育機関など12機関がテナント入居し、産学連携の技術開発に力を注いでいる。この産学連携機能と、今回オープンしたUDXの集客機能、加えて電気街を中心とした街の情報ネットワークを集積することで、秋葉原地区がITを活用した次世代の新しいビジネスを創造する街として発展していきそうだ。秋葉原電気街振興会の小野一志会長(オノデン社長)は、「商いの立場から、街の魅力を最大限に引き出し、一段と儲かる仕組みをつくっていきたい」考えを示す。(佐相彰彦)
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