店頭市場ピックアップ

電子辞書の販売動向

2006/03/06 16:51

週刊BCN 2006年03月06日vol.1128掲載

市場全体が急拡大

1月に前年11月の1.5倍に

 電子辞書市場が拡大している。06年1月は、前年11月比で1.5倍に成長しており、販売台数が急速に伸びている。

 図では、BCNランキング月次データをもとに、3か月間の電子辞書の販売台数を指数化して示した(2005年11月の販売台数を100とした場合)。

 国語や漢和辞典に加え、英和、和英辞典など複数の辞書機能が内蔵されているモデルを中心に、販売を伸ばしている。売れ筋モデルが2-3万円と、価格は数年前に比べそれほど上がっていないものの、搭載できる辞書の種類が豊富になっていることが、電子辞書市場を活性化させている理由の1つだ。

 メーカー別のシェア争いでは、カシオ計算機がトップを堅持し、シャープがそれを追う構図になっている。

 1月の月次データでは、カシオ計算機が台数シェア48.6%、金額シェア49.5%を獲得し、ともにトップ。シャープに台数ベースで約17ポイント、金額ベースでは約18ポイントの差をつけている。3位争いは、セイコーインスツル、キヤノンがともにシェア10%前後でシャープの背中を追っている。

 機種別ランキングでは、カシオの電子辞書シリーズ「EX-Word(エクスワード)」は、1位、2位を保持しているほか、上位10位以内に5機種がランクインした。カシオは、中学生や高校生などの学生向けモデルや、医学系辞書を付加した専門モデルなど豊富なラインアップを揃えており、製品の豊富さがシェア首位へと押し上げる要因の1つになっている。また、同社は2月に新製品を複数投入しており、首位固めに走っている。

 電子辞書市場は、最近の伸び率から考えれば、今後も着実な成長が期待できそう。市場に参入しているメーカーが少ないだけに、今後、新規参入企業が増える可能性も十分に考えられる。既存メーカーのシェア争いとともに、新規参入企業が現れるかどうかにも注目したい。
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