店頭流通

日立製作所 DVDレコーダーが前年比2.1倍に ハイビジョン需要で高級機に伸び

2006/02/20 18:45

週刊BCN 2006年02月20日vol.1126掲載

 日立製作所は、今年度(06年度3月期)のDVDレコーダーの販売台数が、前年同期比約2.1倍の30万台弱に達するとの見通しを明らかにした。市場全体では、「前年同期比96%の前年割れになる」(小見田英男・マーケティング事業部AV営業本部AV営業部主任)と予測しているが、早くからハイビジョン対応製品を主軸にしてきた同社にとって、秋口からのハイビジョン需要の拡大が追い風になった。

 同社によれば、「昨年12月のDVDレコーダ市場全体の販売台数は80万台で、うち当社は約8%の6万4000台を販売した」として、年末商戦を通してシェア拡大が図れたという。

 日立は、04年5月に競合他社に遅れてDVDレコーダー市場に参入したが、同年10月にハイビジョン対応機種を投入。他社との差別化を明確にする狙いもあって、ハイビジョン対応機種に力を入れてきた。

 昨年の年末モデルではさらにハイビジョン展開を強化し、現在同社のDVDレコーダーの8-9割がハイビジョン対応機種となっている。

 特に、1TBの大容量HDD搭載機種の発売で先行したほか、ハイビジョン2番組録画機能は「まだ競合他社が追随していないため優位性は大きい」として、この点を差別化ポイントに、店頭での訴求に力を入れている。

 BCNランキングでDVDレコーダーに搭載しているHDD容量の売れ筋をみると、市場は160-250GBが中心で推移している。

 これに対して、同社の場合は500GBの販売が好調で、「高スペックで簡単な操作性」をアピールし、「ハイビジョン対応に買い替え、買い増し検討している他社ユーザーからのブランドスイッチを獲得していく」戦略だ。
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