店頭市場ピックアップ

デジタルカメラの販売動向

2006/01/16 16:51

週刊BCN 2006年01月16日vol.1121掲載

手ブレ補正機能が人気

12月にソニーが躍進

 デジタルカメラ市場ではキヤノンが首位をキープしているが、2位以下でカシオ計算機、松下電器産業、富士写真フイルム、ソニーによるシェア争いが激化している。

 図はBCNランキング月次データによる昨年8月から12月までのメーカー別シェア推移を表した。

 昨年8月まで3位以下にとどまっていた松下は、少しずつ追い上げ、9-10月は2位を獲得。同社のデジカメ「LUMIX」は、業界に先駆けて手ブレ補正機能を搭載しており、この機能が浸透したほか、8月下旬に新製品を発売したことで一気に弾みをつけた。同月発売したカシオの「EXILIM ZOOM EX-Z500」も手ブレ補正機能を搭載し、松下とカシオによる2位争いを繰り広げた。

 メーカー別、機種別ともに首位をキープしているキヤノンも昨年9月に発売した「IXY DIGITAL 60」で手ブレ補正機能を搭載。富士写真フイルムも10月に発売した新製品「FinePix F11」で同様の機能を搭載し、10月の時点では、ソニーを除いたデジカメ市場を代表するメーカーが手ブレ補正機能搭載モデルを発売した。

 その後ソニーは、11月に新製品「Cyber-Shot T9」で同機の機能を搭載。それまで5位以下だったメーカー別シェアを12月に一気に2位まで引き上げた。年末商戦時期には、「バックオーダー状態」(宮下次衛ソニーマーケティング社長)になるほどの好調ぶり。同機能の搭載が低迷していたシェアを押し上げたと言えるだろう。

 「手ブレ補正機能を付けたメーカーがシェアを上げている」という業界関係者の声もあり、成熟期のデジカメ市場で、手ブレ補正機能が新たな需要を喚起したといえる。

 しかし、11、12月は再び前年割れとなっているため、激化するシェア争いを勝ち抜くには、買い替え需要を促進する新たな差別化機能をいち早く盛り込むことが必至となる。

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