店頭市場ピックアップ

リアプロジェクションテレビの販売動向

2006/01/09 16:51

週刊BCN 2006年01月09日vol.1120掲載

半年で約4倍の市場規模に

ソニー、ブラビア絶好調

 “第三の薄型テレビ”といわれるリアプロジェクション(背面投射型)テレビの販売が急速に伸びている。

 図では、BCNランキング月次データをもとに、リアプロジェクションテレビの直近半年間の販売台数を指数化して示した(05年6月の販売実績を100とした)。

 05年8月、9月に落ち込んだものの10月、11月は販売台数が急伸。11月は、6月の販売実績に対し約4倍を記録するほどの急成長ぶりだ。

 リアプロジェクションテレビ市場は、参入メーカーが少なく、液晶テレビやPDP(プラズマディスプレイパネル)テレビに比べて母数は当然小さい。だが、伸び率は液晶、PDPテレビを上回り、薄型テレビ市場で存在感を示し始めている。

 10月、11月の急成長をけん引していたのは、ソニーの「BRAVIA(ブラビア)」だ。ソニーは10月20日に、薄型テレビの新ブランドで、42V型と50V型の2モデルを投入。発売直後から好調で、10月のメーカー別販売台数シェアで83.7%のシェアを獲得し一気にトップに躍り出た。

 11月には、さらにシェアを伸ばし、89.7%を記録。ソニーがブラビアを投入する前まで首位を堅持していた日本ビクターに80ポイントの差をつけ、独り勝ちとなっている。

 販売を強化しているのはソニーだけではない。家電量販店などのショップを通さず、直販だけの展開のため、BCNランキングには登場しないセイコーエプソンは、04年5月に2機種投入したのに続き、昨年6月には地上デジタル放送対応の2モデルを発売し、販売に拍車をかけている。

 液晶とPDPテレビの価格が急速に下がってきたことで、両製品が薄型テレビの主役になることは今年も間違いなさそう。だが、ソニーが本格展開を開始し、リアプロの老舗エプソンがラインアップを拡充していることから、薄型テレビ市場でリアプロの存在感が今後高まる可能性も十分考えられる。

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