店頭市場ピックアップ

ペンタブレットの販売動向

2005/12/19 16:51

週刊BCN 2005年12月19日vol.1118掲載

台数と金額ともに2ケタ成長

PC初級者に用途が広がる

 ペンタブレットの店頭販売が、台数と金額ともに前年比2ケタの伸びとなっている。かつては特定用途のユーザーが活用する傾向が強かったが、デジタルカメラの編集でパソコン初級者にもタブレットの便利さが浸透してきた。顧客層の広がりが、市場拡大の要因だ。

 BCNランキングによれば、10月17-23日は販売金額が前年同週を下回っていたものの、10月24-30日以降は上回っている。11月28-12月4日は、台数で前年同週比18%増、金額で同12%増と大きく伸びた。これは、トップメーカーのワコムが秋冬商戦に向けて、ラインアップのほぼすべてをバージョンアップしたことが寄与している。最近は、タブレットコーナーを拡張する家電量販店やパソコン専門店が増えているのも事実。

 ワコムの山田正彦社長は、「デジタルカメラの普及にともない、パソコンで画像を編集する需要が増えてきた。細かく編集したいというニーズが高まっていることから顧客層が広がっているのではないか」と分析する。

 対象ユーザーを絞った製品も、順調な動きをみせている。10代の女性を対象とした「ファーボ・コミックパック」は11月の発売以来、機種別販売台数でトップシェアを維持。コミックスやまんが、イラストなどの作成ソフトをバンドルしたことで、高校生や漫画家を目指す専門学校生などに人気だ。ほかにも、デジタルペンを活用しながらプレゼンテーションや商談が行える「ビズタブレット」は、4000円弱という手頃な価格で購入できることから、会社員を中心にユーザーが増えている。今年3月に発売したにもかかわらず、機種別台数シェアで上位5位以内で推移している。

 山田社長は、「顧客は、マウスと同程度の感覚で購入している。タブレット市場に新しい風が吹いている」と断言する。多くの需要がタブレットに抵抗感を持たなくなっているのは間違いないといえる。

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