秋葉原は今
<秋葉原は今>3.大幅改装で業態転換相次ぐ
2005/12/05 16:51
週刊BCN 2005年12月05日vol.1116掲載
実際、開店から約2か月半が経過した11月末でも、オープン当初の活気が続いている。しかも、週末の店内は、オープン時よりも確実に人混みが増えている。同社が見込む初年度の売上高500億円は、控え目と受け取れるほどの賑わいだ。
ヨドバシカメラが秋葉原地区で順調に顧客を獲得している一方、電気街にあるパソコン専門店や家電量販店などの多くは、「ヨドバシカメラが扱っている商材は売れなくなった」と嘆く。
ヨドバシカメラと販売する商品が重なるショップほど、厳しい状況を強いられていることになる。ショップが窮地に追い込まれるのを回避するためには、業態を大きく変えることも選択肢のひとつとなる。
最近では、電気街のなかで大型店として名を馳せていたショップに業態変更の動きが目立つ。大手家電量販店の石丸電気は、JR秋葉原駅電気街口前の「駅前店」を大幅改装。地下1階から地上4階までの売場のうち、2-4階部分を「DUTY FREE」フロアとした。
秋葉原を訪れる客層のなかでも、海外旅行者を得意客として増やしていこうという戦略のようだ。また、秋葉原への来訪が増えている女性や家族連れをターゲットとした新規店として、携帯型のデジタルオーディオや理美容品の体験コーナーを充実させた「AKIba station PLAza」を11月25日に電気街口前にオープンさせた。
ヨドバシカメラの藤沢社長は、マルチメディアAkibaのオープン前に「秋葉原地区を訪れるお客さんは、当社の店舗を“何でも揃う量販店”ととらえ、電気街の他店を“専門店”と位置づけるのではないか」と予想していた。
大手家電量販店が各店舗の対象ユーザーを絞るフロア作りに力を注いでいるのをみると、ヨドバシカメラが描く秋葉原地区の構図が顕著に表れ始めているように思える。(佐相彰彦)
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