店頭市場ピックアップ
業務ソフトの販売動向
2005/11/28 16:51
週刊BCN 2005年11月28日vol.1115掲載
新興勢力が上位進出
IRTとデネットが「簡単」売りに
業務ソフトウェアで新興勢力が台頭してきた。上位2社(弥生とBSLシステム研究所)に大きな変動はないが、3位争いに、顧客管理や出納帳などのソフトを出すデネットとアイアールティ(IRT)の2社が迫ってきた。この2社は、昨夏から今年2月にかけて、業務ソフトを相次ぎ投入。「簡単」、「低価格」を売りに小規模経営者などへ浸透してきた。2004年の年間トータル(1-12月)順位は、マグレックス(3位)、ソリマチ(4位)、日本デジタル研究所(JDL、5位)の順だった。この上位争いは、ここ数年続いた。だが、直近の11月7-13日の週では、販売本数シェアでIRTが6.4%(4位)、デネットが6.1%(5位)を占めて上位に食い込んできた。この2社は、3位のソリマチ(6.8%)に1ポイント以内で接近している。
また、同じ週の製品別台数シェアでも、デネットの「かんたん商人・見積・納品・請求」が5位、IRTの「現金出納帳」が6位と上位を賑わしている。デネットは、「高価な会計ソフトは、高機能すぎて難しい、との声はまだ大きい。簡単で安い業務ソフトの需要は依然高い」と、来年以降、既存ソフトより簡易な業務ソフトを相次いで商品化し、さらなる販売増を狙う。
IRTとデネットのソフトは、いずれもパソコン初心者でも扱える。例えば、出納帳ソフトは、扱いが難しいとされる経理処理の機能を大幅に減らした。伝票を入力するだけで出納帳を作成・印刷できることを特徴としている。実売価格も5000円弱で、経理処理を含めた他の出納帳ソフトと比べ、4分の1程度と安い。
両社に上位進出を許したのは、ソリマチとJDLの落ち込みが背景にある。しかし、ソリマチは11月25日、2年ぶりに新製品を投入した。同社は、「満を持しての新製品」と位置づけ、ラウンドするパソコン量販店数を倍に増やすなど、店頭販売を大幅に強化し、巻き返しを狙う。来年3月の決算時期に向け、上位争いがさらに混沌としそうだ。
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