全国ショップ激戦図
<全国ショップ激戦図>99.東京都北区(下)
2005/10/31 18:45
週刊BCN 2005年10月31日vol.1111掲載
“街の電気屋”を目指す
新宿や池袋といった繁華街には、ヨドバシカメラやビックカメラなどが駅前に大型店舗を置いている。しかも、最近ではJR秋葉原駅前にヨドバシカメラが「マルチメディアAkiba」をオープンし、北区の学生や30歳代のビジネスマンなどが秋葉原地区まで足を運ぶケースが増えている、と北区のショップ関係者は感じている。主婦を顧客として獲得するベスト電器のダイエー赤羽店では、「学生が通学途中に立ち寄ったり、ビジネスマンが会社帰りに来店することが少なくなった」(石松真司店長)とその影響の大きさを語る。そのため「当面は、主婦以外の新規顧客を増やすことは難しいといえるだろう」(同)とみている。
ヨドバシカメラのマルチメディアAkibaが日本最大級の売り場面積と豊富な品揃え、ポイント還元戦略などを武器に顧客を増やしており、なかでも男性の顧客は北区以外の大型店で情報関連機器を購入しているため、ベスト電器のダイエー赤羽店では主婦を顧客として囲い込むフロアづくりや気軽に購入できる消耗品の品揃えなどを充実させた。
また、優良顧客を確保するために一段と強化を図っているのがサポート。関連会社のベストサービスが顧客の自宅まで出張サポートを行っている。「接客がサポートにつながっている」(石松店長)と成果も上々のようだ。食料品の買い物で毎日のようにダイエーを利用する主婦をベスト電器に必ず立ち寄らせるために行っているコミュニケーションで、「お客さんが電化製品に関する疑問を気軽に話してくれている。“街の電気屋”を目指すことが、優良顧客を奪われないための決め手になる」(同)とアピールする。
JR赤羽駅から徒歩圏内の「Dマート赤羽店」内にあるサトームセンの「Dマート赤羽店」も、スーパーにテナント出店しているという点で主婦の来店が多くなっている。顧客の対象がベスト電器のダイエー赤羽店と重なる。男性顧客を奪われつつあるという状況から見れば、今後はベスト電器とサトームセンがいかに“街の電気屋”として浸透できるかをかけた激しい競争が繰り広げられることになりそうだ。(佐相彰彦)
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