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複合プリンタの市場動向
2005/10/31 16:51
週刊BCN 2005年10月31日vol.1111掲載
エプソン対キヤノンが鮮明に
年末商戦に向け戦い本格化
複合プリンタは、各社の新製品が出揃い、年末商戦に向けた本格的な戦いが開始された。プリンタとスキャナ、コピー機能が一体化した多機能性と、家庭で写真を印刷するホームプリントニーズが高まるなか、メーカー各社は複合プリンタに力を入れている。セイコーエプソンは、昨年に続き複合プリンタに注力、キヤノンも複合プリンタの強化を推し進めたことで、エプソン対キヤノンの2強による市場争奪戦が鮮明になっている。図は、BCNランキング週次データによる今年10月17-23日の週と、前年同週(2004年10月18-24日)のメーカー別販売台数シェアを比較した。昨年はエプソンが60.7%を獲得し、2位キヤノンの18.2%を大幅に引き離していた。しかし今年のシェア構成を見ると、エプソン49.6%、キヤノン35.1%で、昨年と比べるとキヤノンが追い上げている様子が明らかだ。
昨年の機種別販売台数シェアを見ると、1-3位までをエプソンの製品が獲得していた。3位までのエプソン製品のシェアの合計は53.5%となるため、エプソンが圧倒的に優位に立っていた。しかし、今年は、首位エプソン「PM-A890カラリオ」が26.8%で、2位キヤノン「ピクサスMP 500」が16.6%を獲得。現在は、エプソンが優位を保っているものの、キヤノンの追い上げは急だ。
今年の機種別販売台数シェアでは、1位から8位までが10月に発売されたエプソンとキヤノンの新製品で占める。昨年、機種別で7位に入っていた日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は、今年9月に販売開始した「HPフォトスマート2575a All-in-One」の13位が最高順位となっていることからも、エプソン対キヤノンの2強による戦いに入った。
エプソンの独壇場だった複合プリンタ市場は、キヤノンの追撃で変貌していくことになるだろう。
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