店頭流通

トレンドマイクロ ショップ販売とバンドル提供を強化 販売サポート人員を1.5倍に

2005/10/24 18:45

週刊BCN 2005年10月24日vol.1110掲載

 トレンドマイクロ(エバ・チェン社長兼CEO)は、個人ユーザー向けセキュリティソフト「ウイルスバスター」の拡販施策として、家電量販店などでのショップ販売と、大手コンピュータメーカーパソコンへのバンドル提供を強化する。ショップ販売では、今年度第4四半期(2005年10-12月期)に販売サポート人員を前四半期に比べ1.5倍に拡充。販売力を高め、ショップでの販売本数シェアを早期に30%まで高める。併せてこれまで消極的だった大手コンピュータパソコンメーカーのバンドル提供も第4四半期から本格化していく。11月2日に発売する新バージョンの拡販に向けて体制を固めていく。

 トレンドマイクロはコンシューマ向け事業の主要販売ルートとして、①家電量販店などのショップ、②インターネットからのダウンロード販売、③ISPのインターネット接続サービスとのセット販売、④パソコンへのバンドル提供――の4つを揃えている。そのなかでも、今年4月にアドビシステムズからトレンドマイクロに移り、コンシューマ事業の陣頭指揮を執る沢昭彦・マーケティング統括本部統括本部長バイスプレジデントは、ショップ販売とバンドル提供を強化する方針を掲げる。

 パソコンへのバンドル提供は、これまでパソコンショップのオリジナルパソコンには昨夏から取り組んできたが、大手パソコンメーカーへの提供については消極的だった。

 今回の戦略転換について沢バイスプレジデントは、「パソコンの買い替えでセキュリティソフトを選ぶ際、パソコンにインストールされているお試し版を使い、そのまま更新するユーザーは非常に多い」と説明。重要チャネルと判断した。すでに東芝とシャープのパソコンにはバンドル提供を開始。「今後、他の主要パソコンメーカーとの交渉を本格化させていく」(沢バイスプレジデント)考えだ。

 ショップ販売については、21.4%の販売本数シェア(BCNランキング、10月10-16日の週次データ)を早急に30%まで引き上げる方針だ。今年4月下旬にパターンファイルの不具合が発生した直後、2週続けてシェア20%に到達しなかったほか、その後もシェアの伸び悩みが続いている。シェア回復のためと、販売量が他のチャネルよりも圧倒的に多いだけに、戦略的に強化することにした。

 強化施策として、ショップでの販売サポート人員を今年度第4四半期は前四半期に比べ50%増やす。主要ショップの販売サポート人員の稼動率を上げるほか、地方などこれまで販売人員を置いていなかったショップに対しても配置していく計画だ。11月2日の新バージョン発売に備えショップでの販売力を一気に高める。
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