全国ショップ激戦図

<全国ショップ激戦図>97.埼玉県川越市(下)

2005/10/17 18:45

週刊BCN 2005年10月17日vol.1109掲載

 埼玉県川越市の主要道路の1つである国道16号線近くには、ヤマダ電機やコジマ、ギガスケーズデンキなど大手家電量販店が大型店舗を出店し、マーケットシェア争いを繰り広げている。各ショップとも週末に合わせてチラシを配布し、安さや品揃えをアピールするなど来店者増に必死だ。

サブ商品の提案で優良顧客を獲得

 集客を増やすために重要なのは、住宅街から自動車や自転車などで来店しやすいことが最大の要件。ヤマダ電機の「川越店」は国道16号線沿いにあり、しかも川越駅から新宿町などへ延びているバス通りにあることから、近隣の住民を中心に顧客が来店している。コジマの「川越インター店」は、関越自動車道の川越インターチェンジ近くに店舗があり、川越市民が旅行に出かける際に利用するケースが多いようだ。

 ギガスケーズデンキの「ケーズデンキ川越本店」は、国道16号線と国道254号線が交差する小仙波に出店しており、競合店舗より比較的商圏が広い。この立地を生かして競合店と同様、低価格を打ち出し、顧客を奪われないようにしているが、価格競争が激しい中で〝体力勝負〟にならないための策を講じている。パソコンの購入者にパソコンソフトを薦めたり、インクジェットプリンタを購入する顧客にインクや紙を購入してもらうといった対策がそれ。川澄真一店長は、「この接客で、売り上げが年率10%前後で成長し、利益の確保につながっている」と自信を示す。

 パソコンの購入者は、「ほとんどがパソコンが古くなったため買い替えるケースが多く、しかもテレビチューナー内蔵のパソコンを購入する際、『便利そうだから』といった理由で購入することが多い。パソコンをどのような用途で活用するのかを聞き出し、その用途に最適なソフトを提案するといったことがお客さんにとって有益になる」としており、「もちろん、当社のオリジナルモデルなど〝テレビパソコン〟以外を薦める場合もある」そうだ。

 メイン商品の購入者に周辺機器やサプライ品など、サブ商品の購入も必ず促す接客を徹底することで、「50歳代のリピーターが増えている」と手応えを感じている。1日平均の来店者数は、平日が700人程度、休日で約2000人に上っており、そのうちの6割が50歳代という。こうした来店者が優良顧客となり、「白物家電や薄型テレビの購入につながっている」としたうえで、液晶テレビに関しては「需要が高まっているため、競合店よりもラインアップを充実させている」と自負する。(佐相彰彦)
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