店頭流通

エレコム 携帯オーディオ市場に参入 “パソコン不要”を訴求ポイントに

2005/10/10 18:45

週刊BCN 2005年10月10日vol.1108掲載

 エレコム(葉田順治社長)は、SDカードおよびミニSDカードを媒体として使用するMP3プレーヤーシリーズ「PLEO(プレオ)2」3機種を開発、携帯オーディオ市場に参入する。アップルコンピュータやソニーをはじめ、多くのメーカーがしのぎを削り、活発な動きが続く携帯オーディオ市場だが、パソコンを使ってメディアに記録する場合が多く、より簡単に使いたいというニーズも高まっている。プレオ2シリーズでは、パソコンなしに携帯オーディオで音楽を楽しめることにポイントを置いた。今後、グループ企業との連携なども含め、同分野での商品ラインアップ拡充も図る考えだ。

11月にMP3プレーヤー3機種発売

 エレコムは昨秋、パソコンを使わずに音楽CDからCD-Rなどへの録音ができる据え置き型のプレーヤー「PLEO1」を発売、オーディオ機器分野に本格参入した。好みの楽曲を手軽にCD化し、車載オーディオなどで楽しむことができるため、月間2000台ペースでの販売を維持。このほど、2005年度のグッドデザイン賞も受賞した。しかし、既存製品と異なる分野であり、使い方などについて消費者への説明が必要な商品でもあったため、販売チャネルの確保や販売方法に苦戦した。そこで、より分かり易く、ユーザーフレンドリーな製品として、最川下の携帯オーディオ市場にも領域を広げる。


 プレオ2シリーズは、11月10日に発売の予定。プレオ2は、CDからSDおよびミニSDへの録音もできるプレーヤー。P01は、SD再生用プレーヤーで、柔らかな手触りのエラストマーカバーを装着し、女性を意識したデザインにした。ケーブルの煩わしさを排除したヘッドホンタイプのH01はミニSD再生用プレーヤー。税込みの販売価格はそれぞれ、2万3100円(実勢価格は1万7000円台)、9975円(同7000円台)、1万1550円(同8000円台)。販売目標はそれぞれ月間3000台、1500台、1500台。

 プレオ2とP01、あるいはプレオ2とH01といった組み合わせにより、パソコンを使うことなく、MP3プレーヤーでの音楽を楽しむことが可能。もちろん、パソコンを使って、それぞれの媒体に記録することもできる。エレコムでは、価格競争に持ち込むつもりはないとしているが、アップルやソニーなどの他の携帯オーディオ機器、あるいはSDカードを使ったコンポと携帯オーディオ機器の展開を進めている松下電器産業などの製品に比べても価格競争力は高い。

 販売チャネルは、大手量販店などがメインとなり、プレオ1の場合と大きくは変わらないが、プレオ2の場合3点のシリーズとして展示でき、携帯オーディオ端末と分かるデザインのため売り場での説明も不要になる。また、パソコンを使わずに、媒体に直接録音できるといった、ユーザーフレンドリーな点もこれまで以上に訴求できるとみている。

 今回発売する携帯端末には録音機能は付加していないが、使用しているチップセットは、録音にも対応するものとなっている。基板の変更で録音機能を持たせることも容易であり、マーケティングなどの結果を踏まえ、録音機能なども備えたビジネス用途の展開も検討する。また、エレコムのグループ会社であるロジテック(葉田順治社長)が、FMトランスミッターを搭載した車載用MP3プレーヤーやチェンジャーを販売しており、シナジー効果を得られるようなファミリー製品としての商品展開も検討していく方針だ。
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