店頭流通

ヴィジョネア 視聴期間限定のDVD販売を強化 来年春までに30タイトルへ

2005/10/03 16:51

週刊BCN 2005年10月03日vol.1107掲載

 デジタルメディア関連の技術開発を手がけるヴィジョネア(内古閑宏社長)は、1週間だけ視聴が可能なDVD「ケータイDVD」の販売増に注力する。販売強化策としてタイトル数を現状の9タイトルから来年春をめどに30タイトルまで増やすほか、コンビニエンスストアや書店など、現在中心となっている販売ルートを拡大し、パソコンソフトの大手ディストリビュータとの販売提携などを進める。これによりパソコン専門店や家電量販店でも販売を行う計画だ。

 「ケータイDVD」は、携帯電話に送られてきたパスワードを入力することで視聴できるDVD。DVDをテレビなどで再生するとIDナンバーが画面に表示される。そのナンバーを携帯電話のメールを使って専用サーバーへ送信、携帯電話の画面にパスワードが送られてくる。そのパスワードを入力して再生する。同社が開発した「DVD MAGIC(DVDマジック)」と呼ばれる技術でDVDコンテンツの視聴制御を実現したのが、このビジネスの発端。

 ケータイDVDの価格は1枚600円。携帯電話でパスワードを取得すれば、1週間の視聴が可能となる。視聴期間が過ぎた場合はクレジット決済や携帯電話の利用料金への課金などで300円を支払い、購入時と同じ手順でサーバーにアクセスすれば再び1週間視聴できる。

 同社では、今年3月中旬からコンビニエンスストアのローソンや書店などで販売を開始。販売枚数は、9月中旬時点で1万6000枚に達したという。購入者は25-35歳の会社員が中心で、「レンタルショップでDVDを借りるよりも利便性が高いという点が購入者から人気を集めた」(内古閑社長)と自信をみせる。

 コンテンツ数は、NHKのテレビ番組「プロジェクトX」を中心に9タイトル。販売を強化するため、今後は「お笑い」や「教育」などのジャンルにコンテンツを広げ、「来年春までに30タイトルまで増やす」(内古閑社長)計画だ。

 本昌宏・市場開発部長は、「コンテンツを増やすことで、600円という価格が『安かろう、悪かろう』ではなく、ケータイDVDで気軽にDVDコンテンツを楽しむ状況を当たり前にしていきたい」意向で、「当商品のターゲットユーザーは、コンテンツの増加に比例してリピーターになるケースが多くなるだろう」とみている。

 また、販路の拡大も進めており、近くパソコンソフトの大手ディストビュータを販売代理店として獲得する予定。これにより、「パソコン専門店や家電量販店で販売できるようになる」(内古閑社長)と期待している。

 最近では、家電量販店を中心にDVDソフトを取り扱うショップが増えている。そのため、ディストリビュータとの販売提携により、販路が一気に増えるとみている。

 販売枚数については、「来年前半までに最低でも1タイトル3万枚を狙う」(同)と意欲的で、購入者が追加視聴することも含めて1タイトル30万枚視聴を目指す。
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