全国ショップ激戦図
<全国ショップ激戦図>93.茨城県つくば市(下)
2005/09/19 18:45
週刊BCN 2005年09月19日vol.1105掲載
街の集客アップで競争激化へ
そのため、家電量販店にとっては市内のショップを顧客増の戦略的な店として位置付ける。アロシステムがBTO(注文生産方式)パソコンショップ「パソコン工房つくば店」を「ツートップつくば店」として近く業態変更するのは、秋葉原電気街に組立パーツユーザーが流れることを危惧しているためだ。しかし、「パーツユーザーに関しては、市内の家電量販店より、当店に来店することが多い」(藤田博征・パソコン工房つくば店長)ことから、つくばエクスプレス沿線のパーツユーザーを新規顧客として獲得することも視野に入れているという。石丸電気は、「つくば店」での週末セールを強化しているほか、ポイントカード「アイアイカード」の入会を以前にも増してアピールしている。つくば駅から徒歩圏内にあり、消耗品などを購入するために同店に来た観光客を石丸電気のリピーターにすることを狙っている。
ギガスケーズデンキは、つくば駅から徒歩20分程度の場所に出店しているパソコン専門店「デジックスワンダーつくば店」(つくば市小野崎)を「ケーズデンキつくばセンター店」にリニューアル。液晶テレビなどデジタルAV(音響・映像)機器や白物家電なども扱う家電量販店となった。近くに大型複合ショッピングモール「ララガーデンつくば」があり、ファミリーを中心に家電購入者を多く獲得している。しかも、「ケーズデンキつくば本店」(つくば市筑穂)とのドミナント(高密度多店舗展開)戦略で市内のマーケットシェア拡大を図っている。
ヤマダ電機は、つくば駅から車で20分以上かかる場所に「テックランドつくば店」(つくば市大字下原字池向)を出店している。他の量販店に比べれば、つくばエクスプレス開通による効果は少ない。しかし、競合店の来店者増を目の当たりにすれば、自店への来店を煽るために安さを売りとする“プライスリーダー”の威力を発揮し、低価格戦略を強化する可能性はある。
量販店各社が、市内のショップ強化策をどんどん進めることで、競争がより激化することは必至だ。(佐相彰彦)
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