石井克美のデジタル家電ナビ
<石井克美のデジタル家電ナビ>22.主流はデジタルチューナー内蔵
2005/09/12 16:51
週刊BCN 2005年09月12日vol.1104掲載
そうした状況を受けてか、“今後買いたい家電製品”のトップを独走するDVDレコーダーに変化が現れてきた。昨年から徐々に増え始めたデジタルチューナー内蔵DVDレコーダー。先鞭をつけたのは日立製作所とシャープだが、今年に入ってから東芝、ソニー、松下電器産業も相次いで参入してきた。
ハイビジョン録画となると、まずブルーレイレコーダーが挙げられるかもしれない。しかし、現在紛糾している次世代DVD統一交渉などを考えると、しばらく様子見といった状況だろう。そうした時期に相次いで登場した「デジタル3波チューナー(地上デジタル/BSデジタル/CS110度デジタル)を内蔵し、DVDメディアへのダウンコンバート記録が可能なDVDレコーダー」が大きな潮流になっている。
ダウンコンバートとは、ハイビジョンのMPEG-2 TS信号をSD解像度(525i)に落として記録すること。もちろん画質劣化は避けられないが、もともとデジタル放送はノイズやゴーストがほとんどないクリーンな受信が可能であり、SDに落としても現行のアナログ放送の録画よりは高品質である。
また、デジタルチューナー搭載のハイブリッドレコーダーではハードディスクドライブ(HDD)にTS信号をそのまま記録しているので、まずHDDに録画したものをハイビジョンで観て、保存したい番組だけDVDに移すといった使い方が可能だ。そして何よりDVDメディアがブルーレイディスクに比べて価格的にも手頃。デジタル放送のコピーワンス番組を記録できるのはCPRM対応メディアに限られるが、昨秋にはCPRM対応のDVD-Rも登場し、DVD-RAM、DVD-RW(VRモード)、DVD-R(VRモード)という3種類のメディアを使えるようになった。
ただし、メーカーや製品によってはデジタル放送の録画に使用できるメディアがまちまちなので、事前に要チェックだ。
デジタルチューナー内蔵DVDレコーダーの注目装備はHDMI端子。HDMI端子は、DVIをベースにHDCP暗号化など著作権保護技術を盛り込んだデジタルインタフェース。デジタル放送の質を損なうことなく伝送できるうえ、1本のケーブルで音声信号も伝達できるシンプルさが魅力だ。
下半期のDVDレコーダーの主流はデジタルチューナー内蔵タイプといえそうだ。
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