秋葉原物語

<秋葉原物語>[第4部 イノベーション]42.栄える沿線都市

2005/09/05 16:51

週刊BCN 2005年09月05日vol.1103掲載

 首都圏新都市鉄道の「つくばエクスプレス」の開業で、埼玉県三郷市や千葉県流山市など沿線都市の住民が、秋葉原を通勤や買物に利用する頻度がますます高まることが予想される。起点となる秋葉原駅はJR東日本の山手線や京浜東北線、総武線の3線が集まるほか、地下鉄の東京メトロ日比谷線も通っている。1日の乗降客がさらに増加することは間違いない。つくばエクスプレスとJR線のスムーズな乗り換えを可能にするため、JR東日本では秋葉原駅に中央改札口を設けている。

 開業間もないつくばエクスプレスに乗ってみた。秋葉原駅-つくば駅を快速列車なら45分という短時間で結ぶ。東京からJR常磐線を使い土浦駅経由で行く方法や、高速バスを使ってつくば市を目指すよりもはるかに短い時間で済む。高速バスでつくば市から東京に来るときは渋滞で時間がかかる場合も多かった。秋葉原とつくばの距離は確実に縮まった。

 最新の鉄道だけあって、首都圏新都市鉄道とインテル、NTTブロードバンドプラットフォームによる車内無線LANの実証実験も進行中だ。今は秋葉原駅-北千住駅間と限られているが、近い将来にすべての区間で利用できるようになる。

 平日は、つくば市や沿線地域に住む会社員や学生などが東京への通勤・通学でつくばエクスプレスを利用し始めた。休日ともなれば、秋葉原を玄関口に東京への最短コースとして重宝されるとともに、東京からは観光目的でつくばに行く利用客も出てくる。

 まずは集客アップとばかりに、沿線自治体によるイベントや施設のオープンが相次いでいる。つくば市では8月24日から28日までの5日間、つくば駅周辺にあるつくばエキスポセンターや中央公園、つくば国際会議場などを会場として、「つくばエクスプレス開業ウィーク・つくばフェスタ」を開催した。

 無料バスによる「つくばまちめぐり」や、中央公園を散策する歩行会のほか、つくば産の野菜販売会「もぎたて野菜市」や特設ステージでの「青空科学講座」などが行われた。

 八潮市では駅前にショッピング&グルメの複合施設「TXアベニュー八潮」が開業と同時にオープン。守谷市でも、「TXアベニュー守谷」が9月15日に営業を開始する予定。つくばエクスプレスの沿線人口は、今後増えていくだろう。そうなると、起点となる秋葉原はさらに活性化する。つくばエクスプレスの開業が、大きなインパクトになり、変化を生むだろう。(佐相彰彦)
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