店頭市場ピックアップ

携帯オーディオの市場動向

2005/08/29 16:51

週刊BCN 2005年08月29日vol.1102掲載

アップル、さらに伸長

ネット音楽配信サービスが後押し

 携帯オーディオ市場で独走を続けているアップルコンピュータが、ここにきてさらに競合を引き離し始めた。

 図は、BCNランキング週次データをもとにメーカー別販売台数シェア上位5社の推移を表した。

 アップルはこれまで、メーカー別で35%前後のシェアでトップをキープしていたが、8月1-7日の週に37.6%に伸長し、その後もじりじりとシェアを伸ばしている。2位は、ソニーが20%前後のシェアを維持してきたが、8月1-7日以降はアップルとは逆にシェアを落としている。

 アップルがここにきてシェアを伸ばしているのは、8月4日に国内で開始したネット音楽配信「iTunes Music Store(iTMS、アイチューンズミュージックストア)」の影響があるだろう。ある家電量販店では、ここ最近の携帯オーディオの販売状況はある程度落ち着いており、安定した伸びを見せていたが、「iTMS」の開始後、「iPod」シリーズの人気に拍車がかかったという。店頭では「iTMS」開始後に、展示コーナーを拡充しているところもある。

 内蔵記憶媒体別の販売台数では、HDD(ハードディスクドライブ)タイプでアップルが70%前後のシェアを獲得。他社の追随を許さない状況となっている。

 一方、フラッシュメモリタイプでは、ソニーが5-7月のそれぞれの月次データで、2位のアップルを6-8ポイント引き離し首位の座をキープしている。

 しかし、アップルが「iTMS」を開始してからの週次データを見ると、8月1-7日の週にソニーが23.6%、アップルが20.5%、8月8-14日の週にはソニーが23.0%、アップルが20.0%、8月15-21日の週では、ソニーが22.7%、アップルが20.0%になっており、ソニーとアップルの差は縮まった。携帯オーディオ市場は、アップルの音楽配信開始を契機に、さらに激しい戦いとなりそうだ。
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