全国ショップ激戦図
<全国ショップ激戦図>88.東名川崎IC周辺(下)
2005/08/08 18:45
週刊BCN 2005年08月08日vol.1100掲載
女性や高齢者を優良顧客に
サードウェーブが尻手黒川道路沿いに構える組立パソコン用パーツ専門店「ドスパラ東名川崎店」(川崎市宮前区)では、「高津区や宮前区にある他のショップと競合することは少ない。しかし、近くの住民が渋谷や新宿などでパソコンや関連商品を購入するため、売上高を伸ばせない」(上久保智店長)ことに頭を痛めてきた。ドスパラ東名川崎店がオープンしたのは2000年6月。東京・秋葉原電気街を本拠地としていたサードウェーブにとっては初の郊外型店舗だった。オープン当初は、最新のCPUやメモリなどを秋葉原価格で購入できるという点で、これまでわざわざ秋葉原電気街まで足を伸ばしていたパーツユーザーが集まってきた。
ところが、最近はパーツを扱う家電量販店やカメラ量販店が増えたため、ドスパラが掲げる「最新のパーツを秋葉原価格で」というキャッチフレーズが通じなくなってしまった。
そこで、昨年度(05年7月期)から、「これまではパーツユーザーが買い替える時に購入してもらえば良いと考えてきたBTO(受注生産方式)パソコンの『プライム』シリーズを、60歳以上の高齢者や女性のお客さんを増やすための製品に位置付ける」戦略を本格化させた。デスクトップ中心だったラインアップも、ノートパソコンを追加して充実させた。
接客に関しては、家電量販店に比べスペックと機能に詳しいスタッフを戦力として、「『電子メールとインターネットを楽しむなら、このスペックで十分』や、『デジタルカメラの画像を保存するなら、HDD(ハードディスクドライブ)はこの程度あったほうが良い』などと分かりやすく説明している」という。しかも、「BTOパソコンだから、CPUやメモリはユーザーニーズに対応できる」とアピールする。
上久保店長は、「パソコンを核とした販売戦略で女性や高齢者のお客さんが全体の2割程度まで増えている」と自信をみせる。パソコン本体の販売増で利益率も高まっているようだ。同店ではさらにユーザー層を拡げるため、近く店舗入口でストラップなどの携帯電話アクセサリーの販売を開始する。「まずは、高校生などが気軽に入れる環境を作る」と、来店を促すことでパソコン本体の販売につなげる。(佐相彰彦)
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