秋葉原物語
<秋葉原物語>[第4部 イノベーション]39.電気街を披露の場に
2005/08/08 16:51
週刊BCN 2005年08月08日vol.1100掲載
このほど開かれた「つくばフェスタin秋葉原」は、つくば市が主催、秋葉原電気街振興会が後援という点で、これまでにはなかったコラボレーションが実現するという大きな効果があった。秋葉原電気街振興会でも、「多くの人が訪れ、大成功だった」(事務局関係者)と満足そうな表情を見せていた。
次のステップとしては、筑波大学システム情報工学研究科など、さまざまな研究機関が開発した研究成果を、電気街のパソコン専門店や家電量販店などでテストとしてデモンストレーションすることも考えられるのではないだろうか。
このフェスティバルには、ショップのスタッフなど電気街関係者も多く姿を見せていた。こうした人たちが、ショップの目玉づくりにロボット技術など新しい試みを取り入れようと意識し始めている。
あるショップ関係者は、パソコンを頭脳に持つ知能ロボット「B5(ビーゴ)」が来場者の隙間を器用に進む様子を見て、「うち(店)で販売できれば面白いかもしれない」と呟いていた。出展側の研究機関のスタッフは、「休日には歩行者天国となる中央通りでデモンストレーションすれば、さらに多くの人を集められるだろう」と、最新技術を披露する場として秋葉原はふさわしいという考えを持っている。
秋葉原では、「秋葉原ダイビル」の「産学連携機能フロア」に入居する大学機関やITベンチャー企業などが連携して新しい技術の開発を目指している。これも電気街とのコラボレーションにつながる。この研究成果について、「当店をデモの場として大いに活用して欲しい」と歓迎するショップは多い。法人向けパソコンをはじめ、サーバーやプリンタなどを販売しているだけでなく秋葉原電気街にもショップを構えているぷらっとフォームは、産学連携フロアにテナント入居しており、開発したハードウェアやソフトウェアなどを直営店で販売する可能性もある。先進性を競って取り込む意欲が、秋葉原に新しい息を吹き込むことになる。(佐相彰彦)
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