石井克美のデジタル家電ナビ

<石井克美のデジタル家電ナビ>18.注目の携帯オーディオプレーヤー(1)

2005/08/08 16:51

週刊BCN 2005年08月08日vol.1100掲載

 携帯オーディオ市場の新たなうねり。それは間違いなくフラッシュメモリやHDD(ハードディスクドライブ)搭載型の携帯オーディオプレーヤーである。

 市場ではまだまだMD(ミニディスク)が主流ながら、着実にシェアを拡大してきている。この背景には、パソコンとの親和性が向上したことが大きく影響している。管理ソフトによって音楽CDからのリッピング(音楽ファイルの切り取り)や音楽配信サイトからのダウンロードが手軽に行えるようになった。

 MP3プレーヤー黎明期は、パソコン内部にMP3ファイルがすでに用意されていることが前提となっており、ファイルの移動はドラッグ&ドロップで行うものが多数だった。

 一方、管理する楽曲が増えた今日では使い勝手に優れたライブラリーソフトによってさらに便利に扱えるようになった。

 これらのソフトは、その大多数が音楽CDからのリッピング/エンコード機能も備えている。代表的なライブラリーソフトには、iPod用の「iTunes(アイチューンズ)」や「ソニックステージ」(ソニー製品用)、「ウィンドウズメディアプレーヤー」(汎用)などがある。

 これらを大きく分けると、プレーヤーへの転送までそのソフトを使うもの、管理ソフトとして使用できるもの、その他──の3つに分類される。

 は音楽CDからのリッピング/楽曲管理/転送までがオールインワンとなっているタイプで扱いは至極簡単。iTunesやソニックステージなどはウェブで無償配布されており、プレーヤーを購入する前に使い勝手を試すことも可能だ。

 の場合は、リッピング/楽曲管理/転送の各工程を分離できるから、「リッピングとエンコードにはソフトA、管理にはソフトBを使って、転送はドラッグ&ドロップ」といった機能の使い分けが可能だ。ただし、どちらかといえば上級者向けソフトといえるかもしれない。

 「ウィンドウズメディアプレーヤー」は音楽CDからのリッピングをはじめとして機能的には十分だが、パソコン内部の音源をすべて管理するという設定なので、HDD内部にICレコーダーで録音した音源とリッピングした音楽が混在している場合には使い勝手が悪い。

 こうした管理ソフトでは、さまざまなファイル形式で楽曲を保存できるのだが、プレーヤーの買い替えなどを考えると、最も汎用性の高いMP3でライブラリーを構築すると便利だろう。

 次回はフラッシュメモリを使った携帯オーディオプレーヤーについて述べてみたい。
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