店頭流通

サクセス ウェブ販売の拡大図り06年度、売り上げ400億円へ リニューアルや書籍の取り扱いも

2005/07/25 16:51

週刊BCN 2005年07月25日vol.1098掲載

 パソコン専門店のサクセス(栗田勝社長)は、ウェブ販売の大幅拡大を図る。同社が運営するインターネット販売サイト「ピーシーサクセス(PCサクセス)」は、今年度(2005年10月期)に売上高200億円を突破する見込みとなっており、来春には会員専用のホームページを作成するなどシステムのリニューアルを図る。加えてジャンルを問わず書籍を取り扱うことも予定しており、06年度に2倍の400億円の売上規模に引き上げる計画だ。

 サクセスは、昨年11月15日にインターネット販売サイト「PCサクセス」をリニューアルした。DVDソフトを新しく追加したことや白物家電機器を充実させ、アイテム数をリニューアル前の約2万5000点から約35万点へと大幅に拡充した。今年6月には携帯電話向けのウェブ販売サイト「モバイルサクセス」をオープン。バックオフィス面では、配送後の自動メール配信機能を追加した。こうしたウェブ販売の強化により、今年度のウェブ販売の売上高は8か月を経過した6月末時点で約140億円に達している。

 谷口怜・取締役営業部門担当は、「夏商戦がピークとなる7月に入り、順調に売り上げを伸ばしている。今年度は売上高200億円を突破する」としており、「200億円という金額は、昨年度に比べ約2倍。来年度も同様に2倍程度の成長を見込み、売り上げを400億円まで引き上げる」ことに手応えを感じている。

 ウェブ販売強化策については、来年春に会員制のサービスを提供開始し、インターネット販売サイトを補強する。専用のホームページを会員ごとに作成し、各会員のニーズに適した商品を掲載することで購入意欲を高めていく。システム構築費には3億円程度を投じる。谷口取締役は、「これまでは、本格的な会員を募ってこなかったことから、販売機会を逃していたケースもあった。会員制でリピート率を高め、優良顧客を増やしていく」ことが会員専用サイト開設の目的という。商品面では、新しく書籍の販売に着手することでアイテム数を増加させ、「パソコンや関連機器などの顧客だけでなく、幅広くユーザーを獲得していく」方針だ。

 最近は、パソコンや関連機器以外の品揃え強化や、携帯電話サイトを立ち上げて、パソコンユーザーだけでなく幅広いユーザー層が購入するようになっている。女性のネット購入者が顧客全体の10%を超えるなど、顧客層がますます広がっている。

 谷口取締役は、「パソコン初級者にも分かりやすい機能やサービスをさらに盛り込んでいくことがウェブ販売ビジネスの拡大につながる」と見る。「家電量販店のサイトを競合としてパソコンや家電の品揃えを充実させるだけでなく、他業界のサイトも競合として捉えることが重要」とし、一層のウェブ販売強化を図っていく考え。
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