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インクジェットプリンタの市場動向
2005/07/18 16:51
週刊BCN 2005年07月18日vol.1097掲載
複合機、単機能モデルに肉薄
夏のボーナス商戦で一気に加速
インクジェットプリンタ市場で、複合プリンタ(印刷、スキャナ、コピーなど複数機能を持つモデル)の出荷台数が単機能プリンタの出荷台数に迫っている。図は、BCNランキングの週次データをもとに、直近約1か月間の複合プリンタと単機能プリンタの出荷台数を指数化して表した(5月30日-6月5日の単機能プリンタの出荷台数を100とした場合)。
単機能プリンタの出荷台数は週によって好不調の波があるが、複合プリンタはここにきて上り調子。5月30日-6月5日の週には指数値で約20ポイントもの開きがあったが、6月27日-7月3日の週には1.5ポイントまで差が縮まった。複合プリンタが、夏のボーナス商戦で一気に単機能プリンタに迫ったことがみてとれる。
メーカー別の販売台数トップシェアは、単機能プリンタではキヤノン、複合プリンタではセイコーエプソンという構図が定着している。
セイコーエプソンの花岡清二社長は、「日本では単機能プリンタ市場の縮小傾向は今後も続く」とみており、複合プリンタを強化していくことを強調。単機能プリンタについては、「中国や東南アジア、欧州地域で引き合いが強い」とし、日本と海外でモデルのすみ分けを図る方針を掲げる。
プリンタは家庭への普及が進み、今後は買い替え・買い増しニーズをどうつかまえるかが各メーカーの重要な戦略になる。複合プリンタは価格が下がってきたことに加え、プリント速度や画質が単機能プリンタのエントリーモデルと遜色ないレベルまで達している。
今後も複合プリンタが市場の主役となる可能性は高い。各メーカーが複合プリンタの開発・販売戦略をどう打つかとともに、「複合プリンタが出荷台数で単機能プリンタをいつ抜くか」も注目される。
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