秋葉原物語
<秋葉原物語>[第3部 ムーブメント]35.俄然、企業向けビジネス台頭
2005/07/11 16:51
週刊BCN 2005年07月11日vol.1096掲載
NECはかつて「クラサバ市場」というネーミングの展示会を秋葉原で開催したことがある。この展示会が「ユーザー企業やパートナーから予想以上に好評だった」(本永実・クライアント・サーバ販売推進本部マネージャー)ことから、製品展示を中心とした直営店の名称に引き継がれた。不定期のイベントでなく、常設のショールームをつくった方がユーザー企業やパートナーの受けはいい。クラサバ市場秋葉原店は、“こだわり商品”と位置づけた、最新技術を駆使したサーバーを中心に展示。加えて、NEC社員がスタッフとして顧客企業からのシステム導入に関する問い合わせに対応する。
また、販売パートナーが商談の場として活用できるスペースも設置。製品カタログやウェブでの情報配信だけでは伝わりにくい機能をスタッフが説明、顧客に実機を体験してもらうのが狙いだ。
店長を務める塩津進・クライアント・サーバ販売推進本部マネージャーは、「顧客が気軽に立ち寄れる」ことをコンセプトとした店づくりに力を入れる。しかも、「秋葉原電気街は、サーバーに詳しく、自宅でサーバーを構築している個人ユーザーも多い。店を構えることで市場の声が聞ける」と、ニーズに合った製品開発につながるメリットもあるという。
市場ウオッチも兼ねて秋葉原地区へと足を運ぶ企業ユーザーが増えれば、そのユーザーを顧客として獲得するためにIT企業が電気街に集まってくるだろう。最近では、JR秋葉原駅電気街口前の「駅前広場」や「秋葉原ダイビル」のイベントスペースなどで、IT企業がイベントを開催したり、デモンストレーションコーナーを設置する光景が珍しくない。こうしたイベントやデモコーナーを見学しようと、企業ユーザーの足が秋葉原に向き始めている。(佐相彰彦)
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